glǘn-

品詞
動詞
意味
凍る
辞書形
glǘno
発音
[ˈglyno]
読み
グリューノ
分野
自然・天体・天候・地形

意味

  1. 凍る

    水・湖・地面などが凍りつく。

    lúin glǘno véinor, tóran faronárai snírai séndo.

    読み:ルーイン グリューノ ヴェーノル、トーラン ファロナーライ スニーライ センド。

    lúinglǘn-ovéinor,tór-anfaronár-aisnír-aiséndo.
    とき凍る-<(重いものが)>湖<主格>来る-<彼らが>運び人-<〜たちが>少ない-<〜たちが>ここ

    「湖が凍るころには、ここへ来る運び人は少なくなる。」

    lúin の節は主節の前に置く。湖 véinor は地の上の水なので重性で、動詞は -o をとる。主節の主語 faronárai は軽性・複数・主格で、snírai はそれに一致する。運び人のような働き手は数えてよいので、snír で多い少ないを言ってもかまわない。凍りの頃の崖道を言う文。

    glǘno brés némes.

    読み:グリューノ ブレース ネーメス。

    glǘn-obrésném-es.
    凍る-<(重いものが)>胸<主格><私>-<属格>

    「胸まで冷えこむ。」

    凍りの頃の嘆き。brés は体の部分なので重性で、動詞は3人称単数・重性の -o をとる。持ち主は名詞の後ろに属格 némes で置く。glǘn- は湖が凍るときにも使う動詞で、体が冷えこむことも言う。

    glǘno ómbo némes.

    読み:グリューノ オンボ ネーメス。

    glǘn-oómboném-es.
    凍る-<(重いものが)>指<主格><私>-<属格>

    「指がかじかむ。」

    凍りの頃によく聞く嘆き。ómbo は重性o語幹で、主格は語幹末の -o が見えた形。主語が重性の単数なので、動詞は -o をとる。glǘn- は湖が凍るときにも使う動詞で、指が冷えてこわばることも言う。

    ké glǘno klóno táses? glǘno.

    読み:ケー グリューノ クローノ ターセス?グリューノ。

    kéglǘn-oklónotás-es?glǘn-o.
    <〜か>凍る-<(重いものが)>膝<主格><あなた>-<属格>凍る-<(重いものが)>

    「「膝が冷えるか?」「冷える。」」

    二人の発話。家の中で、年長の者を気づかう日常のやりとり。はい・いいえで答える問いは文頭の ké で作り、答えは動詞を繰り返す。動詞は重性の klóno に一致しているので、答えでも人称は変わらず glǘno のまま。

    glǘno véinor sórel.

    読み:グリューノ ヴェーノル ソーレル。

    glǘn-ovéinorsórel.
    凍る-<(重いものが)>湖<主格>今日

    「今日、湖が凍った。」

    凍りの頃の日常会話。年代記の「湖が凍った日」の記事も、同じ型の短い直説法の文で書く。高原語には時制がないので、直説法の glǘno は「凍る」とも「凍った」とも訳せる。過去のことだとわかるのは、時を表す語 sórel のおかげである。湖 véinor は重性なので、動詞は3人称単数・重性の -o をとる。

    glünélo ílmo véinoros.

    読み:グリュネーロ イルモ ヴェーノロス。

    glün-él-oílmovéinor-os.
    凍る-<〜だろう>-<(重いものが)>水<主格>湖-<属格>

    「湖の水は凍るだろう。」

    天気の見通しを言う言い方。時制がないので、これから起こることは推量法で言う。強勢は推量法の -él- に移る。名詞句は「名詞–属格」の順に並ぶ。

    lúin brúuma sírna, glǘno véinor.

    読み:ルーイン ブルーマ シルナ、グリューノ ヴェーノル。

    lúinbrúum-asírna,glǘn-ovéinor.
    とき落ちる-<(軽いものが)>霜<主格>凍る-<(重いものが)>湖<主格>

    「霜が降りるようになると、湖が凍る。」

    湖畔の村で季節の移り変わりを言う決まった言い方。従属節の主語 sírna は軽性なので動詞は -a をとり、主節の主語 véinor(地の上の水)は重性なので動詞は -o をとる。性の対比が、一つの文の中に出ている。

    lúin glǘno véinor, tóran dráunai du véinor.

    読み:ルーイン グリューノ ヴェーノル、トーラン ドラウナイ ドゥ ヴェーノル。

    lúinglǘn-ovéinor,tór-andráun-aiduvéinor.
    とき凍る-<(重いものが)>湖<主格>来る-<彼らが>狼-<〜たちが>下手湖<対格>

    「湖が凍ると、狼たちが湖へ下りてくる。」

    湖畔の村で凍りの頃について言う文。lúin の節は主節の前に置く。dráun は軽性の子音語幹で、複数主格は dráunai。du+対格で「下手へ」。véinor は重性なので、主格と対格が同じ形になる。

    lúin glǘno véinor, þílo ílmo véinoros.

    読み:ルーイン グリューノ ヴェーノル、シーロ イルモ ヴェーノロス。

    lúinglǘn-ovéinor,þíl-oílmovéinor-os.
    とき凍る-<(重いものが)>湖<主格>澄む-<(重いものが)>水<主格>湖-<属格>

    「湖が凍るころ、湖の水は底まで澄む。」

    湖畔で言われる古い言い方。lúin の節は主節の前に置く。「澄む」の意味では自動詞として使い、目的語をとらない。

    glüníro fúnel, mé duliþésa gandér.

    読み:グリュニーロ フーネル、メー ドゥリセーサ ガンデール。

    glün-ír-ofúnel,médul-iþ-és-agandér.
    凍る-<もし〜なら>-<(重いものが)>綱<主格><禁止・願いの打ち消し>下る-<〜させる>-<〜すべし>-<(軽いものが)>硬木<対格>

    「綱が凍ったなら、硬木を下ろさぬこと。」

    降ろし場の決まりを書いた碑文の文体。条件の節は接続詞なしに、動詞を仮定法にするだけで作る。綱は重性なので仮定法の語尾は -íro。後半は当為法の禁止で、主語を言わないので一般の人が主語になり、軽性の形をとる。凍りの頃に吊り下ろしが止まるのは、この決まりによる。

    glǘno bormúndo kórvos.

    読み:グリューノ ボルムンド コルヴォス。

    glǘn-obormúndokórv-os.
    凍る-<(重いものが)>開口部<主格>倉-<属格>

    「倉の出入口が凍っている。」

    実務・書物の簡潔な文。bormúndo を家以外の囲われた空間の開口部に拡張している。主語名詞句の中心語 bormúndo が重性o語幹単数なので、動詞は3SG.HV。

    un drúnoroi, glǘno þreílo.

    読み:ウン ドルーノロイ、グリューノ スレイロ。

    undrúnor-oi,glǘn-oþreílo.
    内に崖道-<与格>凍る-<(重いものが)>しぶき<主格>

    「崖道では、しぶきが凍る。」

    凍りの頃の日常用法。un+与格で「〜の中で」という場面の枠を作る。þreílo は重性 o 語幹で、単数主格は citation form を保つ。

    sórel, glǘno þaimfúnel.

    読み:ソーレル、グリューノ サインフーネル。

    sórel,glǘn-oþaimfúnel.
    今日凍る-<(重いものが)>井戸綱<主格>

    「今日、井戸綱が凍る。」

    日常の井戸場での観察。場面の枠に今日の語を置いている。自動詞 glǘn- の主語が重性名詞 þaimfúnel なので、3人称単数・重性の語尾 -o がつく。

    glǘno leimó só.

    読み:グリューノ レイモー ソー。

    glǘn-oleimósó.
    凍る-<(重いものが)>遺体<主格>この<重性>

    「この遺体は凍っている。」

    凍りの頃の実用的な場面。 leimó は重性o語幹なので、主語を受け取る動詞は3人称単数・重性の語尾 -o をとる。指示詞 só も重性で、中心名詞 leimó に一致する。

    glünóroi, glǘno lourílmo.

    読み:グリュノーロイ、グリューノ ロウリルモ。

    glünór-oi,glǘn-olourílmo.
    グリュノーラ-<与格>凍る-<(重いものが)>滝<主格>

    「グリュノーラでは、滝が凍る。」

    glünóroi は旧道上の岩棚名 glünóra の与格として、場面指定に使える。lourílmo は重性の滝なので動詞は重性 3 単数の -o で受ける。冷えた乾風期に滝のしぶきが棚に凍りつく自然状況を、短い直説法で述べている。

    glǘno traumbél

    読み:グリューノ トラウンベール

    glǘn-otraumbél
    凍る-<(重いものが)>橋<主格>

    「橋が凍る。」

    glǘn- が「凍る」の自動詞である。主語の traumbél が重性なので、動詞は3人称単数重性の語尾 -o をとる。時制標示はない。

    glǘno lárno.

    読み:グリューノ ラルノ。

    glǘn-olárno.
    凍る-<(重いものが)>岸<主格>

    「岸が凍る。」

    lárno は主語として現れる。重性o語幹名詞の単数主格は引用形 lárno そのまま。主語が重性なので動詞は 3人称単数・重性の -o をとる。

    glǘno ílmo un ilmándoi.

    読み:グリューノ イルモ ウン イルマンドイ。

    glǘn-oílmounilmánd-oi
    凍る-<(重いものが)>水<主格>内に井戸-<与格>

    「井戸の中で、水が凍る。」

    季節の観察・記録向きの文。un は前置詞で、与格 ilmándoi と組んで「井戸の中で」を表す。主語 ílmo は重性o語幹なので、動詞の一致は重性3人称単数 -o になる。

    glǘno senosnívo.

    読み:グリューノ セノスニーヴォ。

    glǘn-osenosnívo.
    凍る-<(重いものが)>睫毛<主格>

    「睫毛が凍る。」

    書物・自然観察の短文。睫毛を肉体の一部として重性に取り、動詞は重性3人称単数 -o で受ける。時制のない現在・習慣的な文で、凍りの頃の描写に使える。

    lúin glǘno glünó, krása lóna.

    読み:ルーイン グリューノ グリュノー、クラーサ ローナ。

    lúinglǘn-oglünó,krás-alóna.
    とき凍る-<(重いものが)>氷<主格>ひびが入る-<(軽いものが)>柱の木<主格>

    「氷が凍ると、柱の木にひびが入る。」

    凍りの頃に立ち木が寒さで縦に裂けることを言う。副文は lúin に導かれ、動詞が主語に先立つ。主文も VSO で krása lóna とする。lóna は軽性なので、動詞は軽性の krása をとる。割れきって粉になる意味ではなく、裂け目が入る意味。

  2. 冷たく黙る

    人が態度を硬くし、口を閉ざす。くだけた話し方での比喩。

    es pós glǘnes?

    読み:エス ポース グリューネス?

    espósglǘn-es?
    から何<属格>冷たく黙る-<あなたが>

    「なんで急に黙りこむんだ。」

    くだけた話し方での比喩。親しい相手か目下の相手にだけ使う。人が主語なので軽性の扱いになる。es pós は「どこから」と「なぜ」の両方の意味になるが、ここでは「なぜ」。目上の人には es pós を使わない。

    lúin vírim sélu, glǘna senár.

    読み:ルーイン ヴィーリン セール、グリューナ セナール。

    lúinvír-imsélu,glǘn-asen-ár.
    とき言う-<私が>泥の千<対格>冷たく黙る-<(軽いものが)>見る-<〜する人>

    「「泥の千」と口にしたとたん、目付は冷たく黙りこむ。」

    縁の市でのくだけた陰口。sélu は干潟から借りた語なので重性で、主格と対格が同じ形になる。lúin の節は主節の前に置く。主語の senár は人なので、動詞は軽性の -a をとる。

解説

水や地面が凍ること。とくに凍りの頃に湖や崖道が凍ることを言う。主語が湖や地の水(重性)なら3人称単数は glǘno になる。年代記の「湖が凍った日」の記事はこの動詞の完了形で書かれる。人について言うと、冷たく黙りこむ、態度を硬くする、という比喩になる。

文法

自動詞。完了語根 gléun-(ü → eu の母音交替)。使役 glüníþ-「凍らせる」。

語源

古高原語 *glun- から。*u が後ろの i に引かれて ü になった(ウムラウト)形が定着した。

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