rímb-

品詞
動詞
意味
数える
辞書形
rímba
発音
[ˈrimba]
読み
リンバ
分野
数詞・数量

意味

  1. 数える

    物の数を一つずつ数える。

    ké rímbin þíles?

    読み:ケー リンビン シーレス?

    kérímb-inþíl-es?
    <〜か>数える-<〜して・〜く>分かる-<あなたが>

    「お前は数えられるのか。」

    能力を尋ねる。2人称を使うので下向きの話し方。目上の人には使わない。

    rímbin þílim, salóur na rímbin vúurim sórel.

    読み:リンビン シーリン、サロール ナ リンビン ヴーリン ソーレル。

    rímb-inþíl-im,salóurnarímb-invúur-imsórel.
    数える-<〜して・〜く>分かる-<私が>しかし<〜ない>数える-<〜して・〜く>届く-<私が>今日

    「数え方は知っているが、今日は数えられない。」

    能力の þíl- と、可能の vúur- を並べて使い分ける。

    ké rímbes slúun sáindarar?

    読み:ケー リンベス スルーン サインダラル?

    kérímb-esslúunsáindar-ar?
    <〜か>数える-<あなたが>千証文-<〜らの>

    「証文を千通、数えるのか。」

    役所や市で、仲間か目下の者に尋ねる問い。ké で始め、2人称を使っている。slúun は名詞として働き、数えるものを複数属格でとる。sáindar は軽性なので、複数属格は -ar になる。帳簿では量の名詞を入れることが多いが、会話ではこのように省く。

    rímba brándal réum hóumul.

    読み:リンバ ブランダル レウン ホームル。

    rímb-abrándalréumhóum-ul.
    数える-<(軽いものが)>司<主格>九炉-<〜たちを>

    「司は九つの炉を数える。」

    税を取り立てるときの戸数調べの言い方。人は数えないので、世帯の「炉」hóum を数える。hóum は重性なので、複数対格は -ul になる。

    rimbéla senár sénþar sáindarar dórel.

    読み:リンベーラ セナール センサル サインダラル ドーレル。

    rimb-él-asen-ársénþarsáindar-ardórel.
    数える-<〜だろう>-<(軽いものが)>見る-<〜する人>百証文-<〜らの>明日

    「目付は明日、百通の証文を数えるだろう。」

    sénþar は名詞として働くので、数えるもの(証文)を複数属格でとる。sáindar は軽性なので、複数属格は -ar。未来のことは推量法で言う。強勢が -él- に移るので、語根の強勢は消える。

    rímba senár fáron.

    読み:リンバ セナール ファーロン。

    rímb-asen-árfáron.
    数える-<(軽いものが)>見る-<〜する人・主格>荷<対格>

    「目付が荷を数える。」

    縁の市の検めを述べる文。直説法なので語幹 rímb- がそのまま残る。命令法で語幹をむき出しにすると、語末の mb が m に削られて rím になる(rím fáron, ende.「荷を数えてくれ、頼む」)。

    mé rimbésa ausenárais!

    読み:メー リンベーサ アウセナーライス!

    mérimb-és-aau-sen-ár-ais!
    <禁止・願いの打ち消し>数える-<〜すべし>-<(軽いものが)><お〜になる・御〜>-見る-<〜する人>-<〜たちを>

    「目付の方々を数えてはならぬ。」

    目上の人を数で数えることを戒める言い方。数えることは相手を物のように扱い、「下げる」行いとされる。当為法で主語を言わないので「人は〜すべし」という一般の主語になり、軽性の形をとる。強勢は -és- に移る。同じ理屈で、星を数えることも禁じられる。

    rímba lisár dáumbar téir hóumul.

    読み:リンバ リサール ダウンバル テール ホームル。

    rímb-alis-árdáumbartéirhóum-ul.
    数える-<(軽いものが)>書く-<〜する人>二十三世帯-<〜たちを>

    「書記は二十三の世帯(炉)を数えた。」

    倉の司の書記が、税のために村を調べたことを述べる文。人を数えることは相手を下げることになるので、人数ではなく「炉」を数える。数詞 dáumbar téir の後ろなので複数。重性の複数対格は -ul。

    mé rimbésa rúsilan, rimbésa álmaran.

    読み:メー リンベーサ ルーシラン、リンベーサ アルマラン。

    mérimb-és-arúsil-an,rimb-és-aálmar-an.
    <禁止・願いの打ち消し>数える-<〜すべし>-<(軽いものが)>赤月の巡り-<対格>数える-<〜すべし>-<(軽いものが)>ひと月-<対格>

    「赤月の巡りで日を数えぬこと、白月の月で数えること。」

    都の年長者が、崖道帰りの若者などをたしなめるときに使う、戒めの決まった言い方。当為法で主語を言わないので「人は〜すべし」の意味になり、動詞は軽性の形をとる。禁止の前半は mé で否定する。赤月で日を数えるのは、都では田舎くさい、下の国に染まった習慣とされる。

    rímba lisár grúndo.

    読み:リンバ リサール グルンド。

    rímb-alis-árgrúndo.
    数える-<(軽いものが)>書く-<〜する人>掛け<対格>

    「書記が掛けを数え合わせる。」

    grúndo は重性o語幹なので、対格も主格と同じ形になる。ここでは単数で、掛けの全体をひとまとまりとして言っている。帳面の見開きの片側に下ろし荷を、もう片側に上げ荷を書き、両方を突き合わせて掛けを精算する。

    mé rimbéndes, endríña! rímban ilanárai.

    読み:メー リンベンデス、エンドリーニャ!リンバン イラナーライ。

    mérimb-énd-es,endríña!rímb-anilanár-ai.
    <禁止・願いの打ち消し>数える-<〜しますように>-<あなたが>子ども数える-<彼らが>星読み-<〜たちが>

    「数えてはいけませんよ。数えるのは星読みたちです。」

    星を数えようとする子を、親がたしなめるときの言い方。命令法の代わりに「mé+願望法2人称」を使った、やわらかい禁止になっている。強勢は願望法の -énd- に移る。呼びかけの endríña は読点で区切る。後ろの文は ilanárai が主語で、「数えてよいのは星読みたちだけだ」という対比を表す。何を数えるかは言わなくても文脈でわかる。

    lúin rímba ilanár, ésa ilanrimbá lóimen.

    読み:ルーイン リンバ イラナール、エーサ イランリンバー ロイメン。

    lúinrímb-ailanár,és-ailanrimbálóim-en.
    とき数える-<(軽いものが)>星読み<主格>いる-<(軽いものが)>灯の数え<主格>唱える-<〜した・〜された>

    「星読みが数えるときには、灯の数えが唱えられる。」

    星の司の観測の作法を説明した文。星を数えることが許されるのは星読みだけで、そのときもふつうの数詞は使わず、灯の数えという古い数え方で唱える。後ろの節は「és-+主語+分詞」の形で、受け身にあたる。

    drénan kloimárai un krévan, duói léunan mélnan rainiþárei, si na rímba rainiþár virán gráisan.

    読み:ドレーナン クロイマーライ ウン クレーヴァン、ドゥオイ レウナン メルナン ライニサーレイ、シ ナ リンバ ライニサール ヴィラーン グライサン。

    drén-ankloimár-aiunkréva-n,duóiléun-anméln-anrainiþár-ei,sinarímb-arainiþárvir-ángráis-an.
    参る-<彼らが>弟子-<〜たちが>内に練習の場-<対格>それから申す-<彼らが>詩-<対格>師-<与格>と<〜ない>数える-<(軽いものが)>師<主格>言葉-<対格>悪い-<対格>

    「弟子たちは稽古の場へ参り、それから師に詩を申し上げる。師は言い誤りを数えない。」

    宮廷や学び舎での詩の稽古を言った文。弟子の行いは謙譲の補充形で表し、drén-「参る」と léun-「申す」を使っている。un krévan は「稽古の場へ」で、本番ではない場であることを示す。virán gráisan「悪い言葉」は、ここでは無礼な言葉ではなく、言い損なった語を指す。形容詞 gráis は名詞の後ろに置かれ、軽性・対格の -an で一致している。

    rímbim dulglüno só.

    読み:リンビン ドゥルグリュノ ソー。

    rímb-imdulglünosó.
    数える-<私が>つらら<対格>この<重性>

    「「私がつららを数えている。」」

    記録・勘定の場面。重性o語幹の単数対格は主格と同じ見出し形。指示詞 só は性を示す。

    rímba senár téir lénais plénur.

    読み:リンバ セナール テール レーナイス プレーヌル。

    rímb-asen-ártéirlén-aisplén-ur
    数える-<(軽いものが)>見る-<〜する人>三枚-<〜たちを>板-<〜らの>

    「目付が板材を三枚数える。」

    検めの場面。平らな部材を数える量の名詞 lén は軽性で、目的語としての三枚は lén-ais。数えられる板は複数属格 plénur にして量の名詞の後ろに置く。

    rímbim dreumó

    読み:リンビン ドレウモー

    rímb-imdreumó
    数える-<私が>炭<対格>

    「炭を数える。」

    帳場・在庫・取り引きの場面を想定した短文。rímbim は rímb-「数える」に1人称単数語尾 -im をつけた形。dreumó は重性o語幹で単数主格と対格が同じ形のため、語順から目的語として読む。

    rímbim dáu þrónou

    読み:リンビン ダウ スローノウ

    rímb-imdáuþrón-ou
    数える-<私が>二弓矢一式-<双数・対格>

    「弓矢一式を二つ、数える。」

    帳簿・納め・持ち物の勘定の場面。þrón は弓と矢をひとまとまりの装備として数える意味にもなる。dáu「二」に合わせて名詞は双数 þrónou。 þrón-ou は þrón と -ou の二形態素であり、-ou は重性双数の主格・対格語尾である。ここでは目的語の数えられるものとして役割を反映し、逐語訳では弓矢一式-DU.ACCとする。動詞 rímbim は主語「私」に一致し、数量は数詞と名詞の双数で表す。

    rímbim téir monplénul.

    読み:リンビン テール モンプレーヌル。

    rímb-imtéirmonplén-ul
    数える-<私が>三石瓦-<〜たちを>

    「私は石瓦を三枚数える。」

    材料書きや数えの場面を想定した用法。数詞 téir の後ろでは重性名詞を複数形 monplénul にする。1人称単数の rímbim は主語代名詞を省略した言い方である。

    rímbim téir lourílmul.

    読み:リンビン テール ロウリルムル。

    rímb-imtéirlourílm-ul.
    数える-<私が>三落ち瀬-<〜たちを>

    「落ち瀬を三つ数える。」

    帳簿・河川測量などの場面で、一つの川筋がもつ複数の落ちを数える用法。数詞 téir が重性o語幹の複数対格 lourílm-ul を受ける。

    rímba ráuvan traimfiláis sé

    読み:リンバ ラウヴァン トラインフィライス セー

    rímb-aráuvantraimfil-áissé
    数える-<(軽いものが)>森の巫<主格>年輪-<〜たちを>この<軽性>

    「森の巫がこれらの年輪を数えている」

    森の巫が年輪を数える場面を示す文。主語 ráuvan は人なので軽性とし、動詞は軽性3人称単数 -a で受ける。目的語が複数なので traimfiláis を使い、指示詞 sé は名詞句の末尾に置く。

    rímbim ombár fáronul.

    読み:リンビン オンバール ファーロヌル。

    rímb-imombárfáron-ul.
    数える-<私が>十担ぎ-<〜たちを>

    「十担ぎを数える。」

    帳簿や仕分けで単位を数える場面。数詞 ombár は「十」で、重性名詞 fáron の複数(主格・対格) fáronul に掛かる。動詞 rímb- は1人称単数。

    rímbim lím márul fúnelos.

    読み:リンビン リーン マールル フーネロス。

    rímb-imlímmár-ulfúnel-os.
    数える-<私が>五手(長さの単位)-<〜たちを>綱-<属格>

    「綱の五手分を数える。」

    帳簿・記録での数量の言い方。数詞+単位 márul+対象の属格 fúnelos という定型で、「五手分の綱」を表す。単位としての már は重性の名詞として働く。

    du nebroþaló, na rímba vándar grúndo.

    読み:ドゥ ネブロサロー、ナ リンバ ヴァンダル グルンド。

    dunebroþaló,narímb-avándargrúndo.
    下手霧明け<対格><〜ない>数える-<(軽いものが)>商人<主格>掛け<対格>

    「霧明けまでは、商人は掛け勘定を数えない。」

    帳簿・市の記述で、霧明けを期限として、それまで掛け勘定を数えないことを言う文。du+対格は時間上の「〜まで」を表す。nebroþalóは重性名詞で、単数主格・対格は同形。主語のvándarは軽性なので動詞は3人称単数軽性の-aをとり、grúndoは重性名詞の単数対格で無標識。

    rímbim ín puló.

    読み:リンビン イーン プロー。

    rímb-imínpuló
    数える-<私が>一拍<対格>

    「拍を一つ数える。」

    市井の帳場や数えの場で、刻みを一つずつ数え上げる場面。数詞 ín は名詞の前に置き、数える名詞は単数のまま。puló は重性o語幹の単数で、主格と対格が同形であるため目的語も puló のまま立つ。

    rímbim mónul.

    読み:リンビン モーヌル。

    rímb-immón-ul.
    数える-<私が>盤の石-PL.ACC.

    「私は盤の石を数えている。」

    帳場や遊び場での日常的な文。món の盤の石の意味では、規則形の複数 mónul がよく使われる。目的語は重性複数で主格と対格が同形。動詞 rímb-「数える」の人称語尾 -im で主語がわかる。

    rímbim térnul, duói sálim térno.

    読み:リンビン テルヌル、ドゥオイ サーリン テルノ。

    rímb-imtérn-ul,duóisál-imtérno
    数える-<私が>弦-<〜たちを>それから鳴らす-<私が>弦<対格>

    「弦(複数)を数え、それから弦を鳴らす。」

    楽器の張弦を数えてから一本を試すような、張替・調弦の場面。térno の複数主格・対格は térnul で、segmented では térn-ul と分ける。duói で二つの手順を並べる。sál- は「ならす」の他動詞で、弦楽器の弦を弾いて鳴らす文脈に合う。

    rím mélvul!

    読み:リーン メルヴル!

    rímmélv-ul
    数える<命令法><あなたが>板戸-<〜たちを>

    「板戸を数えろ。」

    倉や作業場での日常的な指示。数える語 rímb の命令法単数は、語末の閉鎖音の簡略化で rím になる。mélvo を板戸・仕切り板の意味で用いる場合、対象が複数になることが多く、複数対格 mélvul を取る。

    rímbim þaló.

    読み:リンビン サロー。

    rímb-imþaló
    数える-<私が>昼<対格>

    「昼を数える。」

    暦・帳簿の場面。経過した日数として昼の回数を数える意。対象語は対格単数で、主格と同形。

  2. 物のように扱う

    人について使うと、相手を物のように数える、軽んじるという非難の意味になる。

    ké rímbes néman?

    読み:ケー リンベス ネーマン?

    kérímb-esném-an?
    <〜か>物のように扱う-<あなたが><私>-<対格>

    「お前、俺を物扱いするのか。」

    人を目的語にとると、「数える」は「物のように扱う、軽んじる」という非難の意味になる。2人称と問いの小辞 ké を使っているので、同じ段か下の段の相手に、腹を立てて言う言い方。

    rímban brándalai némoran.

    読み:リンバン ブランダライ ネーモラン。

    rímb-anbrándal-ainémor-an.
    物のように扱う-<彼らが>司-<〜たちが><我々>-<対格>

    「お役所の連中は、俺たちを物のように扱う。」

    運び人や森の民が、役所への不満を言う決まった言い方。人を数で扱うことは、相手を「下げる」行いとされる。そのため、炉や人数を数えて税を取ることへの反感が、この動詞で言い表される。

解説

「数える」という他動詞。物や家畜、丸太、紙などを数えるときに広く使う。目上の人を数えること、星をふだんの数詞で数えることは禁忌とされ、そうした文脈でこの動詞を使うこと自体が無礼になる。否定の分詞 narímben「数えぬ」は elþái narímbenai「数えぬ火」(星を指す婉曲な言い方)に現れる。星の司が星を数えるときの特別な数詞の系列は「灯の数え」と呼ばれ、ふつうの rímb- とは区別して言う。

文法

他動詞。命令法2単は語末の mb が m に削られて rím!。完了語根 réimb-。分詞 rímben、否定分詞 narímben。

語源

古高原語 *rímb- から

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