小説
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髪
頭に生える毛。
ésa sóila némes flúunen sórel.
読み:エーサ ソイラ ネーメス フルーネン ソーレル。
| és-a | sóila | ném-es | flúun-en | sórel. |
| いる-<(軽いものが)> | 髪<主格> | <私>-<属格> | 洗う-<〜した・〜された> | 今日 |
「今日は髪を洗ってある。」
日常の文。繋辞 és- が先頭に来て、主語の sóila(軽性・単数・主格)を受けている。持ち主は、属格の代名詞 némes を名詞の後ろに置いて表す。分詞 flúunen は「洗われた(状態にある)」の意味で、軽性・単数・主格なので一致の語尾はつかない。
ésa sóila dubréles gléin.
読み:エーサ ソイラ ドゥブレーレス グレーン。
| és-a | sóila | dubrél-es | gléin. |
| いる-<(軽いものが)> | 髪<主格> | 弟妹-<属格> | 清い |
「妹の髪は清らかだ。」
「AはBだ」の文で、és-・主語・述語の順に並ぶ。dubrél は人を指すので軽性で、属格は -es。述語の形容詞 gléin は、軽性の主語 sóila に一致する(単数主格なので語尾はない)。
kranérau dóulin kranó si sóila.
読み:クラネーラウ ドーリン クラノー シ ソイラ。
| kranér-au | dóulin | kranó | si | sóila. |
| 伸びる-<双数> | もう | 爪<主格> | と | 髪<主格> |
「爪も髪ももう伸びている。」
単数の二語を si で並べるので動詞は双数になる。相の副詞 dóulin は動詞の直後、主語の前に置く。
vrúna líura sóilan sélvan-es.
読み:ヴルーナ リーウラ ソイラン セルヴァネス。
| vrún-a | líura | sóil-an | sélvan-es. |
| 巻く-<(軽いものが)> | 女<主格> | 髪-<対格> | セルヴァン-<属格> |
「女がセルヴァンの髪を結い上げる。」
日常文。主語 líura は軽性。名詞句内の属格 sélvan-es で「セルヴァンの」を示す。髪 sóila は語彙上軽性の a語幹で、直接目的語は対格語尾 -an を受ける。
na ésa sóila vrúnen.
読み:ナ エーサ ソイラ ヴルーネン。
| na | és-a | sóila | vrún-en. |
| <〜ない> | いる-<(軽いものが)> | 髪<主格> | 巻く-<〜した・〜された> |
「髪は結い上げられていない。」
書き言葉・儀礼文。na + ésa + 名詞 + 分詞 vrún-en で「〜している状態にない」。髪 sóila は語彙上軽性なので存在動詞は軽性。
glákau sóila si líra soilkrélvoi
読み:グラーカウ ソイラ シ リーラ ソイルクレルヴォイ
| glák-au | sóila | si | líra | soilkrélv-oi |
| 一瞬引っかかる-<双数> | 髪<主格> | と | 糸<主格> | 髪留め-<与格> |
「髪と糸が髪留めで一瞬引っかかる。」
VSOに従い動詞を文頭に置く。soilkrélvo の与格は soilkrélvoi。並列主語が二つの単数なので動詞は双数。
tréna endríña sóilan.
読み:トレーナ エンドリーニャ ソイラン。
| trén-a | endríña | sóil-an. |
| 編む-<(軽いものが)> | 子<主格> | 髪-<対格> |
「子どもが髪を編む。」
女児の髪の手入れを表す日常の平叙文。主語endríñaは軽性なので、動詞は3人称単数軽性の-aをとる。髪sóilaは-a語尾の軽性語として扱い、単数対格は語根sóil-に-anをつけてsóilanとなる。自他の所有は明示しておらず、文脈で誰の髪かが決まる。
trén sóilan!
読み:トレーン ソイラン!
| trén | sóil-an! |
| 編む<命令法><あなたが> | 髪-<対格> |
「髪を編みなさい。」
身近な相手への命令の文。命令法の2人称単数は語根trénのみで、主語や人称語尾をもたない。目的語は通常の対格語尾-anを備えているため、縁の市のような裸の語幹命令とは区別される。
結い髪
高く結い上げた髪。身分の高さのしるし。
na ésa sóila faronáres áuren.
読み:ナ エーサ ソイラ ファロナーレス アウレン。
| na | és-a | sóila | faronár-es | áur-en. |
| <〜ない> | いる-<(軽いものが)> | 結い髪<主格> | 運び人-<属格> | 昇る-<〜した・〜された> |
「運び人の結い髪は高くない。」
髪を高く結うほど身分が高いとされるので、九段下りの運び人の結い髪は低い。直説法の文なので na で否定する。述語の分詞 áuren(「高い」、もとは「昇った」)は、軽性の主語 sóila に一致している。
áuren sóila, áuren þrén.
読み:アウレン ソイラ、アウレン スレーン。
| áur-en | sóila, | áur-en | þrén. |
| 昇る-<〜した・〜された> | 結い髪<主格> | 昇る-<〜した・〜された> | 段<主格> |
「髪高ければ段も高し。」
結い髪の高さが身分の高さを表すことを言った諺。諺の形なので繋辞を落とし、述語の分詞 áuren を名詞の前に出している。前半の分詞は軽性の sóila に、後半の分詞は重性の þrén に一致している。どちらも単数主格なので、一致の語尾はつかない。
頭の髪。体の部分の名詞はふつう重性だが、この語は例外的に軽性で、まわりの語も軽性で一致する。髪は頭の頂から生え、結い上げると上へ伸びるものとされるからである。宮廷では髪を高く結うほど身分が高く、sóila áuren「高き髪」は身分の高さを言う決まった言い方。
名詞・軽性・a語幹(体の部分の中で例外的に軽性)。対 sóilan、属 sóiles、与 sóilei、複 sóilai。
古高原語 *sóila から(a語幹の母音は、ilána・plána・lóna と同じく、活用表の類推で復元された)
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