小説
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屋根
家の屋根。
an éndrail snélo, du aursárail fléura.
読み:アン エンドライル スネーロ、ドゥ アウルサーライル フレウラ。
| an | éndr-ail | snélo, | du | aursár-ail | fléura. |
| 上手 | 人-<〜らに> | 屋根<主格> | 下手 | 祖先-<〜らに> | 天の屋根<主格> |
「人の上には家の屋根、祖先の下には天の屋根。」
雨期の詩合わせでよく引かれる、動詞のない詩句。an と du、家の屋根(重性の snélo)と天の屋根(軽性の fléura)を対にしている。人は家の屋根の下に、祖先は天の屋根の上にいる、という縦の並びを詠んでいる。
bróla houmár snélo ível bóralos.
読み:ブローラ ホウマール スネーロ イーヴェル ボーラロス。
| bról-a | houm-ár | snélo | ível | bóral-os. |
| 作る-<(軽いものが)> | 炉-<〜する人> | 屋根<対格> | 新しい | 家-<属格> |
「家の主が家の屋根を新しく葺く。」
snélo は重性の o語幹名詞(nébro と同じ型)で、主格と対格が同じ形。名詞句は「名詞–形容詞–属格」の順で、形容詞 ível は重性・対格なので語尾がつかない。高原の屋根は傾きが急で、板か黒い薄石で葺く。
bróla kelár snélo bóralos.
読み:ブローラ ケラール スネーロ ボーラロス。
| bról-a | kel-ár | snélo | bóral-os. |
| 作る-<(軽いものが)> | 伐る-<〜する人> | 屋根<対格> | 家-<属格> |
「樵が家の屋根を葺く。」
snélo は重性の o語幹名詞で、主格と対格が同じ形。属格 bóralos は名詞の後ろに置いて「家の」を表す。高原の家の屋根は傾きが急で、板か黒い薄石で葺く。
na éso krén snélo.
読み:ナ エーソ クレーン スネーロ。
| na | és-o | krén | snélo. |
| <〜ない> | いる-<(重いものが)> | 天井<主格> | 屋根<主格> |
「天井は屋根ではない。」
名詞述語文。述語名詞 snélo は主格のまま。家屋の構造を説明する場面で、外を覆う屋根と室内の天井を区別する言い方。
天の屋根(雲)
snélo élvares の形で、高原の空を覆う高い雲を言う詩的な表現。一致は軽性。
ésa snélo élvares dréum, na sénimor sílaran.
読み:エーサ スネーロ エルヴァレス ドレウン、ナ セーニモル シーララン。
| és-a | snélo | élvar-es | dréum, | na | sén-imor | sílar-an. |
| いる-<(軽いものが)> | 天の屋根<主格> | 天-<属格> | 黒い | <〜ない> | 見る-<我々が> | 月-<対格> |
「天の屋根が黒く、月が見えない。」
snélo élvares「天の屋根」は高い雲を言う詩的な表現。名詞の形は重性の o語幹のままだが、雲は上に属するものなので一致は軽性になり、繋辞は ésa、述語の形容詞 dréum も軽性の形をとる。雨期の夜によく言う言い方。
lúin ésa snélo élvares dréum, lúuman aursárai némoran.
読み:ルーイン エーサ スネーロ エルヴァレス ドレウン、ルーマン アウルサーライ ネーモラン。
| lúin | és-a | snélo | élvar-es | dréum, | lúum-an | aurs-ár-ai | némor-an. |
| とき | いる-<(軽いものが)> | 天の屋根<主格> | 天-<属格> | 黒い | ご覧になる-<彼らが> | 昇る<〜し終えた>-<〜する人>-<〜たちが> | <我々>-<対格> |
「天の屋根が黒いときも、祖先は我々をご覧になっている。」
雨期に星が見えなくても不安がらない理由を説く、信仰の言い方。雲は上の層に属するので、祖先は屋根の上から変わらず下界を見ていると考えられている。snélo は重性の語形だが、この意味では一致が軽性になる(ésa)。lúum- は「見る」の尊敬の補充形。
家の屋根。高原の屋根は雪と雨を落とすために傾きが急で、板や黒い薄石で葺かれる。語そのものは重性だが、雲を『天の屋根』(snélo élvares)と言うときには、指しているのが上に属する雲なので、形容詞や動詞は軽性で一致する。
glákau snélo si líra snúloi
読み:グラーカウ スネーロ シ リーラ スヌーロイ
| glák-au | snélo | si | líra | snúl-oi |
| 一瞬引っかかる-<双数> | 布<主格> | と | 糸<主格> | 結び目-<与格> |
「布と糸が結び目に一瞬引っかかる。」
VSOに従い動詞を文頭に置く。二つの単数名詞を並列した主語なので、動詞は双数を使う。
重性・o語幹。属 snélos、与 snéloi。「天の屋根」の意味では一致だけが軽性になる。
古高原語 *snélo- から。基本の名詞で、派生・複合の構造は確認できない。
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