小説
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低い(位置・高さ)
上から下りてきた、または下りた位置にある。低い屋根、低い座、低い声。物理的な高さの低さに最も自然。
éso dún dúlen.
読み:エーソ ドゥーン ドゥーレン。
| és-o | dún | dúlen |
| いる-<(重いものが)> | 丘<主格> | 低い |
「丘は低い。」
存在文を兼ねた述語文。主語 dún は重性なので、繋辞は 3単数・重性の -o。述語形容詞 dúlen は主格単数で無語尾。
ésa aldár sé dúlen.
読み:エーサ アルダール セー ドゥーレン。
| és-a | aldár | sé | dúlen |
| いる-<(軽いものが)> | 座<主格> | この<軽性> | 低い |
「この席は低い。」
主語は軽性名詞 aldár。指示詞 sé は名詞の後ろに置く。述語形容詞 dúlen は軽性主格単数で無語尾。
〜下りた(段・瀬)
身分の段や系譜の瀬で「何段下りた・何瀬下りた」を表す定型分詞。dúlenan fáir þrénul「四段下りた」。
duþélim sélvanan, an fóndaros gléinaros dúlenan fáir þrénul.
読み:ドゥセーリン セルヴァナン、アン フォンダロス グレーナロス ドゥーレナン ファイル スレーヌル。
| du-þél-im | sélvan-an, | an | fóndar-os | gléinar-os | dúlen-an | fáir | þrén-ul. |
| <〜させていただく>-名乗る-<私が> | セルヴァン-<対格> | 上手 | 源-<属格> | グレイナル-<属格> | 下りた-<対格> | 四 | 段-<〜たちを> |
「グレイナルの源から四段下った者、セルヴァンと名乗らせていただきます。」
改まった名乗り定型。duþél- は謙譲の「名乗らせていただく」で、名前を対格で受ける。dúlen-an は見出し語 dúlen に軽性対格単数の接辞 -an を付けた形で、sélvanan に一致して後置修飾する。þrénul は「何段下りたか」を表す道のりの対格。
動詞 dul-「下る」の分詞 -en が形容詞化した語。「(上から)下りてきた位置にある」「下りた」という動きの結果としての低さを表す。高い(áuren:昇った)の完全な対で、宮廷でも森でも、建物・座・声・段・瀬の低さに使う。社会用語の「n段下りた・n瀬下りた」と同じ語根を共有するため、改まった名乗り(dúlenan fáir þrénul)と物理の「低い」(dúlen snélo)が同一の語で表される。高原の世界観では、低さとは「下りてきたことそのもの」なので、この一致は偶然ではない。
duþélim sélvanan, an fóndaros ráimaros dúlenan dáumbar téir lóurul, dúlenan fáir þrénul.
読み:ドゥセーリン セルヴァナン、アン フォンダロス ライマロス ドゥーレナン ダウンバル テール ロールル、ドゥーレナン ファイル スレーヌル。
| du-þél-im | sélvan-an, | an | fóndar-os | ráimar-os | dúl-en-an | dáumbar | téir | lóur-ul, | dúl-en-an | fáir | þrén-ul |
| <〜させていただく>-名乗る-<私が> | セルヴァン-<対格> | 上手 | 源-<属格> | ライマル-<属格> | 下る-<〜した・〜された>-<軽性・対格> | 二十 | 三 | 瀬-<〜たちを> | 下る-<〜した・〜された>-<軽性・対格> | 四 | 段-<〜たちを> |
「ライマルの源から二十三瀬下りた、四段下りの者、セルヴァンと名乗らせていただきます。」
改まった場での名乗り。固有名も小文字で書く。分詞 dúlenan は二度とも、名前の sélvanan(軽性・単数・対格)に一致している。lóurul と þrénul は道のりの対格。瀬と段は語が違うので、どちらが世代でどちらが身分かがすぐにわかる。
形容詞(分詞の形容詞化)。dul-「下る」の語根に -en を付けた分詞。名詞の性・数・格に一致する。軽性:dúlen(主)・dúlenan(対)・dúlen es(属)・dúlenei(与)。重性:dúlen(主・対)・dúlenos(属)・dúlenoi(与)。複数:軽性 dúlenai・dúlenais・dúlenar・dúlenail、重性 dúlenul・dúlenul・dúlenur・dúlenuls。否定は na- を前置(nadúlen「下りぬ」)。
dul-(下る)の分詞 -en。動詞の -en 分詞が形容詞として定着した例で、áur-(昇る)の áuren「高い」と平行。
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