小説
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道
人が歩いて上り下りする道筋。荷車や丸太の通らない、足で行く道をいう。
éso bérun só snóil.
読み:エーソ ベールン ソー スノイル。
| és-o | bérun | só | snóil |
| いる-<(重いものが)> | 道<主格> | この<重性> | 狭い |
「この道は狭い。」
存在・述語形容の文。指示詞 só が名詞句 bérun só を閉じ、述語形容詞 snóil がその後ろに続く。主語 bérun は重性単数で、述語形容詞も重性単数形(無接語)になる。
谷の道
森の氏族が沢や尾根づたいに行き来する、統一より前からある細い道。白糸川沿いの道のように、川筋をたどる谷の道を指すことが多い。
éso bérun só fóndel.
読み:エーソ ベールン ソー フォンデル。
| és-o | bérun | só | fóndel |
| いる-<(重いものが)> | 谷の道<主格> | この<重性> | 古い |
「この谷の道は古い。」
氏族の谷の道を指す用法。述語形容詞 fóndel は「由緒ある古い」の意。指示詞 só が名詞句を閉じた後ろに述語形容詞が来る。
道のり
移動の動詞と組んで、上り下りした道筋そのものを道のりの対格で表す。dúlo faronár bérun「運び人が道を下る」のように、通った道を前置詞なしで置く。
dúlan faronárai bérun du dálor.
読み:ドゥーラン ファロナーライ ベールン ドゥ ダーロル。
| dúl-an | faron-ár-ai | bérun | du | dálor |
| 下る-<彼らが> | 荷-<〜する人>-<〜たちが> | 道のり<対格> | 下手 | 下の国<対格> |
「運び人たちは道のり(道筋)を下りて下の国へ行く。」
移動動詞と組む道のり用法。重性名詞 bérun は対格接語を持たず、主格と同形のまま道のりを表す。複数主語 faronárai は軽性行為者名詞 faronár の複数主格。
道(長さの単位)
長さの単位。千腕(約1.7キロメートル)。遠い道のりを言う。
éso bérun slúun daumárur.
読み:エーソ ベールン スルーン ダウマールル。
| és-o | bérun | slúun | daumár-ur |
| いる-<(重いものが)> | 道(単位)<主格> | 千 | 腕-<〜らの> |
「道(長さの単位)は千腕である。」
長さ単位としての用法。slúun は名詞として働き、数える対象を複数属格で受ける。daumár は重性で、複数属格は daumárur。
人が自分の足で歩いて上り下りする道筋を指す、日常の基本語。とくに、森の氏族が統一より前から使ってきた、沢や尾根づたいの細い谷の道(人と毛山羊だけが通れる道)を指すことが多い。白糸川沿いに山猫の谷から夕の湖へ上る道のような、川筋に沿った谷の道はこの語の代表的な例である。硬木を降ろし場へ運ぶために伐り開いた幅の広い王の道(丸太道)とは区別され、森の民がこの語を使うとき、自分たちの暮らしの道という含みがともなう。地面に属するものなので重性で、石段や瀬と同じく「下にあるもの」として扱われる。移動の動詞 dúl-「下る」・áur-「昇る」と組むときは、前置詞をつけずに道のりの対格で置き、どの道筋を通って上り下りしたかを表す(dúlimor bérun「我々は道を下る」)。重性名詞なので対格に語尾はつかず、主格と同じ形になる。行き先は前置詞句で別に添える。
名詞・重性・子音語幹。単数 主・対 bérun、属 bérunos、与 bérunoi。双数 主・対 bérunou、属・与 bérunoun。複数 主・対 bérunul、属 bérunur、与 bérunuls。綴りは古い脱落の前の形を残して〈beruna〉と書く。dúl-・áur-・ráum- などの移動の動詞とは、前置詞なしの道のりの対格で組む。
古高原語 *béruna から。強勢のある音節の後ろで n に続く主格の語末母音 *-a が、古い語末母音の脱落で落ちて bérun になった(gandér と同じ型)。保守的な森の言葉では、母音の残った béruna の形も聞かれる。
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