小説
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歌
節をつけて歌うもの。荷担ぎ歌・子守唄・祭りの歌など。韻律に乗せて詠む宮廷の詩 mélna とは区別する。
lúnda faronár lundáis aurándos
読み:ルンダ ファロナール ルンダイス アウランドス
| lúnd-a | faronár | lund-áis | auránd-os |
| 歌う-<(軽いものが)> | 運び人<主格> | 歌-<〜たちを> | 社-<属格> |
「運び人が社の歌を歌う。」
社で歌われる歌の場面。faronár は単数の主語で、動詞は軽性単数一致 -a をとる。aurándo は重性o語幹名詞で、属格は -os。
節・旋律
歌の言葉を除いた、節回しそのもの。lundá sé「この節」と言えば、言葉を替えても同じ節で歌えることを指す。
áura lundá sé
読み:アウラ ルンダー セー
| áur-a | lundá | sé |
| 昇る-<(軽いものが)> | 節<主格> | この<軽性> |
「この節は上へ昇る。」
lundá を、言葉そのものより節回し・旋律として使う例。指示詞 sé は名詞句の後に置かれ、格変化しない。
na véilim lundán sé
読み:ナ ヴェーリン ルンダーン セー
| na | véil-im | lundá-n | sé |
| <〜ない> | 忘れる-<私が> | 節-<対格> | この<軽性> |
「私はこの節を忘れない。」
節・旋律という語義で、言葉を替えても歌えるものを指す。見出し語 lundá に単数対格が付いた lundán を使う。否定小辞 na は動詞の直前に置く。
さえずり
鳥や虫が繰り返し鳴く声を歌にたとえた言い方。とくに夜のふくろうや、雨期明けの小鳥の声に使う。
lúnda flíva lundán
読み:ルンダ フリーヴァ ルンダーン
| lúnd-a | flíva | lund-án |
| 歌う-<(軽いものが)> | 鳥<主格> | 歌-<対格> |
「鳥が歌っている。」
鳥の声に使う例。主語は軽性の単数なので動詞は -a、目的語は軽性単数対格 lundán。
節(旋律)をつけて声に出して歌うものをひろく指す語。運び人が荷を担いで一歩ごとに歌う荷担ぎ歌、炉ばたの子守唄、村の祭りや婚礼の歌、縁の市の囃し歌などがこれにあたる。宮廷の詩 mélna とは別の語として使い分ける。mélna は十拍の句を韻律に乗せて詠み、書き留めるもので、教養と身分のしるしとされる。lundá は節で覚えて口から口へ伝わるもので、行の終わりの音をそろえる脚韻を好む。そのため、都の人がある作品を lundá と呼ぶと、「詩ではなく歌だ」という軽い見下しがこもることがある。一方で、歌の声は息であり音であって上へ昇るものなので、文法上は軽性で、それ自体が卑しいものとはされない。祭祀で鐘や笛に合わせて歌われる歌も lundá と呼ぶ。森の巫が斧の拍子に合わせて唱える伐り出しの詞は、節をつけて唱えても loimá「詞」と呼び、lundá とは言わない。数えるときは数詞を前に置き、ふつうは複数をとる(téir lundái「三つの歌」)。何度歌ったかを言うときは fréim「〜度」を使う。強勢が語末にあるので、くだけた話し方の語末母音の脱落を受けず、崖道の言葉でも lundá のまま発音される。
軽性・a語幹(語尾に強勢)。単数:主 lundá、対 lundán、属 lundés、与 lundéi。双数:主対 lundáu、属与 lundáun。複数:主 lundái、対 lundáis、属 lundár、与 lundáil。指小形 lundíña「小歌・拙い歌」。
動詞 lúnd-「歌う」に、軽いもの(上へ昇るもの)を表す名詞化接辞 -á がついた派生語。強勢をもつ -á が語根の強勢を奪うので、lúnd- の強勢が消えて lundá となる。aurá「縁鷲(昇るもの)」、virá「言葉(言うもの)」と同じ作り方である。
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