小説
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この
軽性の名詞の後ろに置いて、話し手の近くのものを指す。
luuménde ausenár plánan sé.
読み:ルーメンデ アウセナール プラーナン セー。
| luum-énd-e | au-sen-ár | plán-an | sé. |
| ご覧になる-<〜しますように>-<(軽いものが)> | <お〜になる・御〜>-見る-<〜する人> | 帳簿-<対格> | この<軽性> |
「目付殿に、この帳簿をご覧いただきたく存じます。」
上向きの依頼。命令法の代わりに願望法の3人称を使い、目の前の相手を主語の「目付殿」として扱う。lúum- は「見る」の尊敬の補充形。下向きなら sén plánan sé!、縁の市なら sén plána, ende. と言う。
sén, senéndes plánan sé.
読み:セーン、セネンデス プラーナン セー。
| sén, | sen-énd-es | plán-an | sé. |
| 見る<命令法><あなたが> | 見る-<〜しますように>-<あなたが> | 帳簿-<対格> | この<軽性> |
「見ろ……いや、この帳簿を見てくれぬか。」
段を測りかねる相手への揺れ。都の大商家の手代(六段下り)が、段の外の尋に話しかけている。手代は自分のほうが上だと思っているので、下向きの命令法 sén を言いかけて、並びの願望法2人称に言い直す。最初の sén は市のむき出しの語幹と同じ形だが、格語尾つきの plánan と指示詞 sé が続き、ende がないので、市の言葉ではなく命令法だとわかる。市の目付は干潟の人と縁商人を通して話し、この形を口にしないので、この揺れを見せるのは手代や崖道の商人である。
pán þéla endríña sé?
読み:パーン セーラ エンドリーニャ セー?
| pán | þél-a | endríña | sé? |
| 誰<対格> | 名乗る-<(軽いものが)> | 子ども<主格> | この<軽性> |
「この子は何と名乗っているのか。」
þél- は名乗る名前を対格でとるので、名前を尋ねるときは疑問詞の対格 pán を文頭に出す。子どもは軽性。指示詞 sé は名詞の後ろに置く。目上の人には使わない問い方。
ésa lisár sé dúlen fáir þrénul.
読み:エーサ リサール セー ドゥーレン ファイル スレーヌル。
| és-a | lis-ár | sé | dúl-en | fáir | þrén-ul. |
| いる-<(軽いものが)> | 書く-<〜する人・主格> | この<軽性> | 下る-<〜した・〜された> | 四 | 段-<〜たちを> |
「この書記は四段下りの者だ。」
ある人の身分を、第三者に説明する文。身分も「dúlen+数詞+段 þrén の複数対格」で言う。lóur(瀬)ではなく þrén(段)を使っているので、世代ではなく身分の話だとわかる。本人の前でこのように数詞を添えて言うのは、相手の段によっては無作法になる。
auelénde autorár aldárei sé.
読み:アウエレンデ アウトラール アルダーレイ セー。
| au-el-énd-e | au-tor-ár | aldár-ei | sé. |
| <お〜になる・御〜>-座る-<〜しますように>-<(軽いものが)> | <お〜になる・御〜>-来る-<〜する人> | 座-<与格> | この<軽性> |
「お客人には、この座にお座りいただきたく存じます。」
客を上座へ招くときの改まった言い方。目の前の相手を2人称で呼ばず、au- をつけた名詞の3人称で言い、願望法で頼む。au- と h- がくっつくと h が落ちて auél- になる。指示詞 sé は格変化しない。
ausáila aldár sé.
読み:アウサイラ アルダール セー。
| au-sáil-a | aldár | sé. |
| <お〜になる・御〜>-喜ぶ-<(軽いものが)> | 王 | この<軽性> |
「この座(朕)は、喜ばしく思う。」
詩合わせや献上の席で、王が返しとして言う短い言葉。王の自称の文では、補充形のない動詞にも尊敬の接頭辞 au- をつける。au- は s- の前では形が変わらない。
lúuma aldár sé sáindaran.
読み:ルーマ アルダール セー サインダラン。
| lúum-a | aldár | sé | sáindar-an. |
| ご覧になる-<(軽いものが)> | 王 | この<軽性> | 証文-<対格> |
「この座(朕)は、証文を見た。」
王は自分を「我」と言わず、aldár sé「この座」と3人称で言う。そのため、動詞は3人称単数・軽性になり、自分の行いにも尊敬の補充形 lúum- を使う。時制がないので「見る」とも「見た」とも訳せる。
ésa lisár sé dúlen fáir þrénul.
読み:エーサ リサール セー ドゥーレン ファイル スレーヌル。
| és-a | lis-ár | sé | dúl-en | fáir | þrén-ul. |
| いる-<(軽いものが)> | 書く-<〜する人> | この<軽性> | 〜段・〜瀬下りた-<〜した・〜された> | 四 | 段-<〜たちを> |
「この書記は四段下りの者だ。」
身分の段を言う言い方。分詞 dúlen に数詞と þrén「段」の複数対格(道のりの対格)を続けて、頂からどれだけ下りているかを表す。高原語にはこれにあたる序数がない。分詞は主語 lisár(軽性・単数・主格)に一致するので、語尾がつかない。þrénul を lóurul「瀬を」に替えると、身分ではなく世代の言い方になる。
luuménde aldár áuren sáindaran sé.
読み:ルーメンデ アルダール アウレン サインダラン セー。
| luum-énd-e | aldár | áur-en | sáindar-an | sé. |
| ご覧になる-<〜しますように>-<(軽いものが)> | 座<主格> | 高い-<〜した・〜された> | 証文-<対格> | この<軽性> |
「高き座に、この証文をご覧いただきたく存じます。」
宮廷で王に書きものを差し出すときの、上向きの依頼。命令の代わりに願望法の3人称を使い、「見る」は尊敬の補充形 lúum- にする。aldár áuren「高き座」は王の位の総称で、今の王はふつうこれだけで指す。
ésa lóna sé áuren.
読み:エーサ ローナ セー アウレン。
| és-a | lóna | sé | áur-en. |
| いる-<(軽いものが)> | 柱の木<主格> | この<軽性> | 高い-<〜した・〜された> |
「この柱の木は高い。」
分詞 áuren を述語の形容詞として使った文。生えている柱の木は軽性なので、指示詞は sé になり、分詞は軽性・単数・主格で語尾がつかない。伐られて材木になると、まわりの語は重性の一致に変わる。
lúin glóira ausenár, luuménde sáindaran sé.
読み:ルーイン グロイラ アウセナール、ルーメンデ サインダラン セー。
| lúin | glóir-a | au-sen-ár, | luum-énd-e | sáindar-an | sé. |
| とき | お越しになる-<(軽いものが)> | <お〜になる・御〜>-見る-<〜する人> | ご覧になる-<〜しますように>-<(軽いものが)> | 証文-<対格> | この<軽性> |
「目付殿がお越しになりましたら、この証文をご覧いただきたく存じます。」
縁の市で、都の手代のような者が改まって言う依頼。glóir- は「来る」の尊敬の補充形。「〜とき」の節は lúin で始め、主節の前に置く。後半の主語は前半と同じ目付なので、言わずに省いている。命令の代わりに願望法の3人称を使い、lúum-「見る」の尊敬の補充形を使う。
lís virá sé, ende.
読み:リース ヴィラー セー、エンデ。
| lís | virá | sé, | ende. |
| 書く<命令法><あなたが> | 文字 | この<軽性> | どうぞ |
「この字を書いてくれ、頼む。」
縁の市の取引言葉。格の語尾が落ちるので、目的語でも対格の virán ではなく virá の形のまま使う。むき出しの語幹 lís に ende を添えると軽い頼みになり、無礼にはならない。
hóinim du sílarei sé.
読み:ホイニン ドゥ シーラレイ セー。
| hóin-im | du | sílar-ei | sé. |
| 帰る-<私が> | 下手 | 暦の月-<与格> | この<軽性> |
「この月が過ぎたら帰る。」
暦のひと月の意味で使った例。時間を川の流れとして捉えるので、du+与格「〜の下手で」が「〜の後に」の意味になる。
ésa virá sílares sé gléin.
読み:エーサ ヴィラー シーラレス セー グレーン。
| és-a | virá | sílar-es | sé | gléin. |
| いる-<(軽いものが)> | 詩句<主格> | 月-<属格> | この<軽性> | 清い |
「この月の句は清い。」
詩の挨拶で返された句をほめる言い方。名詞句は「名詞–属格–指示詞」の順に並ぶ。指示詞 sé は格で形が変わらず、名詞句の終わりの目印になる。
ésa virá sé lísen aulisáres.
読み:エーサ ヴィラー セー リーセン アウリサーレス。
| és-a | virá | sé | lís-en | au-lis-ár-es. |
| いる-<(軽いものが)> | 文字<主格> | この<軽性> | 書く-<〜した・〜された> | <お〜になる・御〜>-書く-<〜する人>-<属格> |
「この字は書記の方がお書きになったものだ。」
書かれた字も virá で言う。分詞 lísen の後ろの属格が「〜によって」を表し、書き手が目上なので、名詞 lisár に尊敬の接頭辞 au- をつけている。
ésa pélsa sé áuren.
読み:エーサ ペルサ セー アウレン。
| és-a | pélsa | sé | áur-en. |
| いる-<(軽いものが)> | 脂の木<主格> | この<軽性> | 昇る-<〜した・〜された> |
「この脂の木は高い。」
生えている脂の木を言う文。立ち木は軽性なので、繋辞は -a をとる。áuren「高い」は、もとは aur-「昇る」の分詞。伐られて材になると、同じ名詞でも繋辞は重性の éso で受ける。
ésa pélsa sé gléin, táula kelár pelsó éles.
読み:エーサ ペルサ セー グレーン、タウラ ケラール ペルソー エーレス。
| és-a | pélsa | sé | gléin, | tául-a | kel-ár | pelsó | él-es. |
| いる-<(軽いものが)> | 脂の木<主格> | この<軽性> | 清い | 取る-<(軽いものが)> | 伐る-<〜する人・主格> | 樹脂<対格> | <3人称単数・軽性>-<属格> |
「この脂の木は清い。樵はその樹脂を採る。」
立ち木から樹脂を採る話。立ち木なので、pélsa を受ける繋辞も代名詞も軽性の形になる(ésa、éles)。樹脂 pelsó は重性o語幹の名詞で、主格と対格が同じ形になる。主節を二つ並べるので、あいだに区切りの印を打つ。
áura virá sé.
読み:アウラ ヴィラー セー。
| áur-a | virá | sé. |
| 昇る-<(軽いものが)> | 詩句<主格> | この<軽性> |
「この句は昇る(よくできた句だ)。」
よくできた詩句をたたえる決まった言い方。整った言葉は煙のように上へ昇り、祖先に届くとされるので、「昇る」と言うだけでほめ言葉になる。virá は軽性なので、動詞は3人称単数・軽性の -a をとり、指示詞も軽性の sé になる。
na þílim virán sé.
読み:ナ シーリン ヴィラーン セー。
| na | þíl-im | vir-án | sé. |
| <〜ない> | 分かる-<私が> | 言葉-<対格> | この<軽性> |
「この言葉がわからない。」
日常の言い切りの否定。na は直説法の動詞 þílim の直前に置く。主語は1人称単数の語尾 -im でわかるので、代名詞は言わない。指示詞 sé は名詞の後ろに置き、格では形が変わらない。
méir sáindaran sé némei.
読み:メール サインダラン セー ネーメイ。
| méir | sáindar-an | sé | ném-ei. |
| 与える<命令法><あなたが> | 証文-<対格> | この<軽性> | <私>-<与格> |
「その証文をこっちへよこせ。」
下向きの命令。語順は動詞–目的語–与格(受け手)で、受け手の「私に」は与格 némei で表す。ném は②型の語尾で格変化する。証文 sáindar は軽性の子音語幹なので、対格は -an、指示詞は軽性の sé になる。
ésa lisím sé gléin.
読み:エーサ リシーン セー グレーン。
| és-a | lis-ím | sé | gléin. |
| いる-<(軽いものが)> | 書く-<〜の技・〜さ> | この<軽性> | 清い |
「この書法は清い。」
書の出来をほめる言い方。lisím「書法」は軽性なので、指示詞は軽性の sé を名詞の後ろに置く。sé は格では形が変わらない。関係節がないときは、指示詞が名詞句の終わりの目印になる。繋辞 és- が文頭に来て、述語の形容詞 gléin は主語に一致する。
lísa aldár sé sáindaran.
読み:リーサ アルダール セー サインダラン。
| lís-a | aldár | sé | sáindar-an. |
| 書く-<(軽いものが)> | 座<主格> | この<軽性> | 証文-<対格> |
「この座が証文を書く。」
王は自分を「我」と言わず、aldár sé「この座」と3人称で言う。そのため動詞は3人称単数・軽性の -a になる。実際の座は石や木でできていても、aldár は人を指すので軽性で、指示詞も軽性の sé を使う。
pórin lisésa virán sé?
読み:ポーリン リセーサ ヴィラーン セー?
| pórin | lis-és-a | vir-án | sé? |
| どのように | 書く-<〜すべし>-<(軽いものが)> | 言葉-<対格> | この<軽性> |
「この言葉はどう書けばよいのか。」
学び舎で字の書き方を尋ねる言い方。主語を言わない当為法は「人は〜すべし」という一般の主語を表し、軽性の形をとる。それで「どう書くべきか」「どう書くものか」の意味になる。疑問詞 pórin は動詞の前に出る。
ésa plána sé ombár.
読み:エーサ プラーナ セー オンバール。
| és-a | plána | sé | ombár. |
| いる-<(軽いものが)> | 帳簿<主格> | この<軽性> | そろった |
「この帳簿は、一行も欠けずにそろっている。」
掛けを精算する前に帳簿を突き合わせて、記載に欠けがないことを確かめたあとの言い方。ombár を述語にして、「欠けがない・満ちている」という意味で使っている。数詞は格変化しないので、述語になっても語尾がつかない。紙の帳簿 plána は軽性なので、繋辞は -a、指示詞は sé になる。plána の主格はそのままの形(a語幹の -a は類推で復元された語幹の母音)なので、ここでは切り分けずに示した。
ésa rimbá sé sélu!
読み:エーサ リンバー セー セール!
| és-a | rimbá | sé | sélu! |
| いる-<(軽いものが)> | 数<主格> | この<軽性> | 当てにならない大きな数 |
「こんな数、当てになるもんか!」
運び人や崖道の商人が言う、からかいの言い方。「この数は泥の千だ」という形で、話を盛った数や、ごまかしの入っていそうな大きな数をけなす。改まった場では使わない。
ésa rimbá sáindares sé gléin.
読み:エーサ リンバー サインダレス セー グレーン。
| és-a | rimbá | sáindar-es | sé | gléin. |
| いる-<(軽いものが)> | 数の欄<主格> | 証文-<属格> | この<軽性> | 清い |
「この証文の数の欄は、書き損じもなくきれいだ。」
検めで証文の書きぶりをほめる言い方。名詞句は「名詞–属格–指示詞」の順に並ぶ。rimbá は軽性なので、指示詞は sé、述語の gléin も軽性・主格の形になる。
na ésa rimbá sáindares sé.
読み:ナ エーサ リンバー サインダレス セー。
| na | és-a | rimbá | sáindar-es | sé. |
| <〜ない> | いる-<(軽いものが)> | 数の欄<主格> | 証文-<属格> | この<軽性> |
「この証文には数の欄がない。」
荷の検めで、書式の不備を指摘する言い方。存在の動詞 és- を na で否定している。rimbá は軽性なので、動詞は -a をとる。
na sénim sáindaran sé, éso senó némes múr.
読み:ナ セーニン サインダラン セー、エーソ セノー ネーメス ムール。
| na | sén-im | sáindar-an | sé, | és-o | senó | ném-es | múr. |
| <〜ない> | 見る-<私が> | 証文-<対格> | この<軽性> | いる-<(重いものが)> | 目<主格> | <私>-<属格> | 濁った |
「この証文は見えぬ。私の目はかすんでいる。」
年長の者が細かい字を読めないときの言い方。主節二つを接続詞なしで並べるので、あいだに区切りを入れる。senó は重性なので、繋辞は -o をとり、述語の múr「濁った」にも語尾がつかない。目がよく見えないことを、水と同じ「濁る」で言っている。
plúin hoinéles? du álmarei sé.
読み:プルーイン ホイネーレス?ドゥ アルマレイ セー。
| plúin | hoin-él-es? | du | álmar-ei | sé. |
| いつ | 帰る-<〜だろう>-<あなたが> | 下手 | ひと月-<与格> | この<軽性> |
「「いつ帰るつもりだ。」「この月が明けたら。」」
二人の発話。未来の予定は推量法で尋ねる。答えは動詞を省いた前置詞句だけで言う。時間は川の流れとみるので、du+与格「〜の下手で」は「〜の後に」の意味になる。du álmarei sé は「この月の後に」、つまり翌月のこと。
ésa sáindar sé tráumo, na ésa glüníño.
読み:エーサ サインダル セー トラウモ、ナ エーサ グリュニーニョ。
| és-a | sáindar | sé | tráumo, | na | és-a | glüníño. |
| いる-<(軽いものが)> | 証文<主格> | この<軽性> | 確かな足場 | <〜ない> | いる-<(軽いものが)> | 危うい足場 |
「この証文は渡り氷だ、薄氷ではない。」
縁の市で、約束が確かなことを請け合う決まり文句。tráumo と glüníño を対にして言う。証文 sáindar は紙に書かれたものなので軽性で、繋辞は -a、指示詞は軽性の sé をとる。
na méirim fáron, ésa sáindar sé múrno.
読み:ナ メーリン ファーロン、エーサ サインダル セー ムルノ。
| na | méir-im | fáron, | és-a | sáindar | sé | múrno. |
| <〜ない> | 与える-<私が> | 荷<対格> | いる-<(軽いものが)> | 証文<主格> | この<軽性> | 当てにならぬもの |
「荷は渡さない、この証文は腐り氷だ。」
縁の市で取引を断るときの言い方。na は直説法の動詞の直前に置く。証文を tráumo「渡り氷」と請け合われたのに対して、múrno と言い返すことが多い。
ésa kelár sé gúrnal.
読み:エーサ ケラール セー グルナル。
| és-a | kel-ár | sé | gúrnal. |
| いる-<(軽いものが)> | 伐る-<〜する人> | この<軽性> | 力の強いもの |
「この樵は熊のような力持ちだ。」
人を gúrnal にたとえて、力の強さをほめる言い方。森の言葉でも崖道の言葉でもよく使う。人を熊にたとえても軽性のままなので、侮辱にはならない。指示詞 sé は名詞の後ろに置く。
ái, ésa tókal an lónei sé.
読み:アイ、エーサ トーカル アン ローネイ セー。
| ái, | és-a | tókal | an | lón-ei | sé |
| おや | いる-<(軽いものが)> | きつつき<主格> | 上手 | 柱の木-<与格> | この<軽性> |
「おや、この柱の木の上のほうにきつつきがいる。」
森の中でふと口にするひとこと。「〜がいる」は「és-+主語+場所」の形で言う。an+与格は「〜の上手で」という意味で、ここでは木の上のほうの位置を表す。生えている柱の木は軽性なので、与格の語尾は -ei、指示詞は軽性の sé になる。指示詞は格によって形が変わらない。きつつきは、木の中が空洞か詰まっているかを知る鳥とされている。
ké ésa flaindél kélen sé káil?
読み:ケー エーサ フラインデール ケーレン セー カイル?
| ké | és-a | flaindél | kél-en | sé | káil? |
| <〜か> | いる-<(軽いものが)> | 版の木<主格> | 伐る-<〜した・〜された> | この<軽性> | 乾いた |
「この伐った版の木は乾いているか。」
版木の工房で交わされる、くだけた問い。版木は、伐ってから数年寝かせて乾かす。伐った木はふつう一致が重性に移るが、版の木は例外で、伐ったあとも軽性のままである。そのため、繋辞は ésa、分詞 kélen は軽性・単数・主格(語尾なし)、指示詞は軽性の sé になる。伐った脂の木なら kélenoi(重性)のように重性の形で一致するので、比べるとわかりやすい。
ésa plána sé es planéles.
読み:エーサ プラーナ セー エス プラネーレス。
| és-a | plána | sé | es | planél-es. |
| いる-<(軽いものが)> | 帳簿<主格> | この<軽性> | から | 白樹皮の木-<属格> |
「この帳簿(の紙)は、白樹皮の木から出たものだ。」
紙の出どころを説明する文。紙は白樹皮の木の内皮からすく。es+属格は方向を問わない「〜から」で、出どころを表す。帳簿 plána は木から作られた紙だが、言葉を載せて昇るものなので軽性のまま。そのため繋辞は ésa、指示詞は sé になる。
mé kél árnelan sé, ésa bóula fóndel.
読み:メー ケール アルネラン セー、エーサ ボーラ フォンデル。
| mé | kél | árnel-an | sé, | és-a | bóula | fóndel. |
| <禁止・願いの打ち消し> | 伐る<命令法><あなたが> | 木-<対格> | この<軽性>, | いる-<(軽いものが)> | どんぐりの木<主格> | 古い |
「この木を伐るな。このどんぐりの木は由緒ある古木だ。」
森の村で、年長者が若い樵をたしなめるときの言い方。禁止は mé+命令法(むき出しの語幹 kél)で言うので、下向きの話し方になる。後半では、生えているどんぐりの木が軽性なので、繋辞は ésa になる。fóndel は「古くて由緒ある」というほめる響きの語。
drénim es orénos, ré luuménde ausenár sáindaran sé.
読み:ドレーニン エス オレーノス、レー ルーメンデ アウセナール サインダラン セー。
| drén-im | es | orén-os, | ré | luum-énd-e | au-sen-ár | sáindar-an | sé. |
| 伺う-<私が> | から | 縁-<属格> | <〜と(節)> | ご覧になる-<〜しますように>-<(軽いものが)> | <お〜になる・御〜>-見る-<〜する人> | 証文-<対格> | この<軽性> |
「目付殿にこの証文をご覧いただきたく、縁から伺いました。」
役所に用事で出向き、来た目的を述べるときの決まった言い方。時制の形がないので、drénim は「伺う」とも「伺った」とも訳せる。目的を表す ré の節では願望法を使う。その中でも、目上の人は職名に au- をつけた3人称で主語にし、「見る」の尊敬の補充形 lúum- を使う。
na þílim sáindaran sé.
読み:ナ シーリン サインダラン セー。
| na | þíl-im | sáindar-an | sé. |
| <〜ない> | 分かる-<私が> | 証文-<対格> | この<軽性> |
「この証文が分からない。」
書きものを読むときの言い方。くだけた話し方では、na þílim が縮んだ間投詞 naþíl「わからん」もよく使う。
sáila houmár sáindarei sé.
読み:サイラ ホウマール サインダレイ セー。
| sáil-a | houmár | sáindar-ei | sé. |
| 喜ぶ-<(軽いものが)> | 家の主<主格> | 証文-<与格> | この<軽性> |
「家の主はこの証文を喜んでいる。」
喜ぶ理由は与格で示す。書かれた言葉が重い国なので、取り決めが証文に残ったことは喜ばれる。指示詞 sé は名詞句の終わりに置く。
ausailéndan aursárai lisímei sé.
読み:アウサイレンダン アウルサーライ リシーメイ セー。
| au-sail-énd-an | aursár-ai | lis-ím-ei | sé. |
| <お〜になる・御〜>-嘉する-<〜しますように>-<彼らが> | 祖先-<〜たちが> | 書く-<〜の技・〜さ>-<与格> | この<軽性> |
「ご祖先がこの手跡を嘉したまいますように。」
願いを書いた紙を燃やして祖先に届けるときの決まり文句。高い者が主語なので尊敬の au- をつけ、願望法で言う。強勢は -énd- に移る。嘉する対象は与格。
ké ésa tíula sé gléin?
読み:ケー エーサ ティーウラ セー グレーン?
| ké | és-a | tíula | sé | gléin? |
| <〜か> | いる-<(軽いものが)> | 音<主格> | この<軽性> | 清い |
「この音は澄んでいるか?」
日常の問い。繋辞 és- を先頭に置き、「és-–主語–述語」の順に並べる。tíula「音」は軽性なので、繋辞は -a、述語の gléin も軽性・主格の形になる。軽性の指示詞 sé は格によって形が変わらず、名詞句の最後に置く。
auransoinéla ausenár sáindaran sé?
読み:アウランソイネーラ アウセナール サインダラン セー?
| aur-ansoin-él-a | au-sen-ár | sáindar-an | sé? |
| <お〜になる・御〜>-思い出す<〜し終えた>-<〜だろう>-<(軽いものが)> | <お〜になる・御〜>-見る-<〜する人> | 証文-<対格> | この<軽性> |
「「目付殿は、この証文を覚えておいででしょうか。」」
上向きの問い。目上の人には ké を使わず、推量法で推し量る形で尋ねる。「覚えている」は「思い出す」ansén- の完了語幹(補充形)ansóin- で言い、尊敬の au- は母音の前で aur- になる。推量法の -él- が強勢をとるので、語根の強勢は消える(auransoinéla)。相手は役職名に au- をつけた3人称で言う。
tául sáindaran trúuman sé!
読み:タウル サインダラン トルーマン セー!
| tául | sáindar-an | trúum-an | sé! |
| 取る<命令法><あなたが> | 証文-<対格> | 古びた-<軽性・対格> | この<軽性> |
「この古びた証文を取ってくれ!」
目下の者に言う命令法で、日常的な言い方。紙の証文 sáindar は軽性なので、形容詞も軽性・対格の -an で一致する。指示詞 sé は名詞句の最後に置き、格変化しない。
esénde lúsa sé aurélei.
読み:エセンデ ルーサ セー アウレーレイ。
| es-énd-e | lúsa | sé | aurél-ei. |
| いる-<〜しますように>-<(軽いものが)> | 粥<主格> | この<軽性> | あの方-<与格> |
「この粥を、どうぞあの方に(お召し上がりくださいませ)。」
目上の人に食事を勧める、遠回しで改まった言い方。「食べよ」とは言わず、所有の構文「ある+持ち主の与格」を願望法にして、「この粥があの方のものとなりますように」と言う。強勢は願望法の -énd- に移る。
élþa kéira sé.
読み:エルサ ケーラ セー。
| élþ-a | kéira | sé. |
| 燃える-<(軽いものが)> | 蝋燭<主格> | この<軽性> |
「この蝋燭が燃えている。」
目の前の明かりを指して言う文。kéira は軽性なので、動詞は -a、指示詞は軽性の sé になる。指示詞は名詞の後ろに置く。蜜蝋の蝋燭は宮廷の明かりとして使われる。
ésa tendá sé ámbel.
読み:エーサ テンダー セー アンベル。
| és-a | tend-á | sé | ámbel. |
| いる-<(軽いものが)> | 織る-<〜するもの(重)> | この<軽性> | 黄色い |
「この布は黄色い。」
「éis-+主語+述語」の文。地衣類の「森の髭」で染めた黄の布を言う。指示詞 sé が主語の名詞句の終わりの目印になり、その後ろの ámbel が述語になる。
ésa rása sé gléin.
読み:エーサ ラーサ セー グレーン。
| és-a | rása | sé | gléin. |
| いる-<(軽いものが)> | 衣<主格> | この<軽性> | 清い |
「この衣は清らかだ。」
繋辞の文。rása は軽性なので、繋辞は -a、指示詞は sé、形容詞 gléin は軽性・主格の形(語尾なし)になる。
ésa síndra sé séuril.
読み:エーサ シンドラ セー セウリル。
| és-a | síndra | sé | séuril. |
| いる-<(軽いものが)> | 帯<主格> | この<軽性> | 美しい |
「この帯は美しい。」
繋辞の文。síndra は軽性なので、繋辞は -a、指示詞は sé、形容詞は軽性・主格の形になる。帯は染め色で身分を示し、高価な染めの帯は家一軒ほどの値になることもある。そのため、品物をほめる言葉として市でもよく聞かれる。
ké ésa meirtaulá sé lísen?
読み:ケー エーサ メイルタウラー セー リーセン?
| ké | és-a | meirtaulá | sé | lís-en? |
| <〜か> | いる-<(軽いものが)> | 取引<主格> | この<軽性> | 書く-<〜した・〜された> |
「この取引は書き留めてあるか。」
meirtaulá は méir-「与える」と tául-「取る」に -á がついた軽性a語幹の名詞で、語尾に強勢がある。述語の分詞 lísen「書かれた」は、主語に一致して軽性・単数・主格の形(語尾なし)になる。王国では口約束より書きつけが重く、取引は帳簿に一つ一行で書く。
auþundénde ausenár es sáindares sé.
読み:アウスンデンデ アウセナール エス サインダレス セー。
| au-þund-énd-e | au-sen-ár | es | sáindar-es | sé. |
| <お〜になる・御〜>-裁く-<〜しますように>-<(軽いものが)> | <お〜になる・御〜>-見る-<〜する人> | から | 証文-<属格> | この<軽性> |
「目付殿に、この証文に照らしてお裁きいただきたく存じます。」
目上の役人に裁きを願い出るときの上向きの話し方。命令法を使わず、願望法の3人称で言い、目の前の相手を役職名に au- をつけて呼ぶ。es+属格は出どころを表し、ここでは裁きのよりどころを示す。
ésa þondá sé lísen sáindarei.
読み:エーサ ソンダー セー リーセン サインダレイ。
| és-a | þondá | sé | lís-en | sáindar-ei. |
| いる-<(軽いものが)> | 約束<主格> | この<軽性> | 書く-<〜した・〜された> | 証文-<与格> |
「この約束は証文に書き留められている。」
取引の約束が文字に残っていることを確かめる言い方。口約束より書きつけが重いとされるので、商いの約束は証文に書かせる。繋辞 és- を文頭に置き、主語 þondá sé の後ろに分詞 lísen「書かれた」を述語として続ける。指示詞 sé は軽性の形。
voilélan éndrai dulúines sóndelan sé.
読み:ヴォイレーラン エンドライ ドゥルーイネス ソンデラン セー。
| voil-él-an | éndr-ai | dulúin-es | sóndel-an | sé. |
| 読む-<〜だろう>-<彼らが> | 人-<〜たちが> | 行く末-<属格> | 書物-<対格> | この<軽性> |
「行く末の人々が、この書物を読むだろう。」
書物の序や詩に見られる言い回し。属格 dulúines を「人々」の後ろに置いて「後の世の人々」と言う。名詞句の中では、名詞のすぐ後ろに属格、そのあとに指示詞 sé が来る。
ésa endríña sé nél tráimelar.
読み:エーサ エンドリーニャ セー ネール トライメラル。
| és-a | endríña | sé | nél | tráimel-ar. |
| いる-<(軽いものが)> | 子ども<主格> | この<軽性> | 七 | 年齢・年数-<〜らの> |
「この子は七つだ。」
年齢は「数詞+tráimel の複数属格」で、「何年の(者)」として言う。目上の人は数で数えるのが失礼とされるので、この言い方はおもに子どもや目下の者、家畜などに使う。
dulíþan kelárai dáumbar gandérul tráimelei sé.
読み:ドゥリーサン ケラーライ ダウンバル ガンデールル トライメレイ セー。
| dul-íþ-an | kel-ár-ai | dáumbar | gandér-ul | tráimel-ei | sé. |
| 下る-<〜させる>-<彼らが> | 伐る-<〜する人>-<〜たちが> | 二十 | 硬木-<〜たちを> | 年-<与格> | この<軽性> |
「この年、樵たちは硬木を二十本下ろした。」
年代記や森の司の記録に見られる書き方。「この年に」は、与格 tráimelei に指示詞 sé を添えて言う。九十九までの数詞は名詞の前に置き、三以上なら名詞を複数にする。重性の複数対格は -ul になる。
ésa nóra sé klér, élþa elþá.
読み:エーサ ノーラ セー クレール、エルサ エルサー。
| és-a | nóra | sé | klér, | élþ-a | elþá. |
| いる-<(軽いものが)> | 夜<主格> | この<軽性> | 冷たい | 燃える-<(軽いものが)> | 火<主格> |
「今夜は冷える。火が燃えている。」
凍りの頃の家の中の会話。nóra sé「この夜」で「今夜」を表す。指示詞は軽性の sé で、格では変化しない。述語の形容詞 klér は主語の nóra に一致する。
tórim du ombrénei sé.
読み:トーリン ドゥ オンブレーネイ セー。
| tór-im | du | ombrén-ei | sé |
| 来る-<私が> | 下手 | 十日-<与格> | この<軽性> |
「この十日が過ぎてから来る。」
市や役所で日取りを約束するときの言い方。時間を川の流れとみて、「du+与格」(〜の下手で)で「〜の後に」を表す。ombrén は軽性の子音語幹として変化する(与格 -ei)。指示詞 sé は格で形が変わらない。
snéimim, ausenár. luuménde ausenár sáindaran sé.
読み:スネーミン、アウセナール。ルーメンデ アウセナール サインダラン セー。
| snéimim, | au-sen-ár. | luum-énd-e | au-sen-ár | sáindar-an | sé. |
| 失礼します | <お〜になる・御〜>-見る-<〜する人> | ご覧になる-<〜しますように>-<(軽いものが)> | <お〜になる・御〜>-見る-<〜する人> | 証文-<対格> | この<軽性> |
「失礼いたします、目付殿。この証文をご覧いただきたく存じます。」
目上の人の前に進み出て、用件を切り出すときの言い方。snéimim はもとは snéim-「身をかがめる」の直説法1人称単数(私は身をかがめる)だが、定型句として固まっているので、一語のまま扱う。頭を下げながら言う。呼びかけ ausenár は読点で区切って文の終わりに添える。続く依頼は、命令法ではなく願望法3人称(上向きの話し方)になっている。
lís sáindaran sé! dómim.
読み:リース サインダラン セー!ドーミン。
| lís | sáindar-an | sé! | dómim. |
| 書く<命令法><あなたが> | 証文-<対格> | この<軽性> | 承りました |
「「この証文を書け。」「承りました。」」
二人の発話。目上の者が下向きの命令法で言いつけ、目下の者が dómim で受ける。dómim はもとは「控える」の謙譲の補充形 dóm- の1人称単数で、「(お言いつけのもとに)控えております」という意味が固まった定型の返事。役所や大家で、命令を受けた者がまず口にする。
kloimár! dómim. sén sáindaran sé.
読み:クロイマール!ドーミン。セーン サインダラン セー。
| kloim-ár! | dómim. | sén | sáindar-an | sé. |
| 学ぶ-<〜する人> | はい、ここに | 見る<命令法><あなたが> | 証文-<対格> | この<軽性> |
「「弟子よ!」「はい、ここに。」「この証文を見よ。」」
学び舎や工房で、師が弟子を役割の名で呼び、弟子が dómim で応じ、師が用件を命令法で続ける流れ。日常では呼格を使わないので、呼びかけは主格の形の役割名だけで言う。dómim は呼ばれたらすぐ口にする返事で、続く言いつけを受ける構えも示す。
ké vóiles sáindaran sé?
読み:ケー ヴォイレス サインダラン セー?
| ké | vóil-es | sáindar-an | sé? |
| <〜か> | 読む-<あなたが> | 証文-<対格> | この<軽性> |
「お前、この証文が読めるか?」
下向きの問い。はい・いいえで答える問いは、文のいちばん前に ké を置いて作る。答えるときは動詞を繰り返して vóilim(読める)、na vóilim(読めない)と言う。目上の人には ké も2人称も使わない。
meiréndes sóndelan sé némei.
読み:メイレンデス ソンデラン セー ネーメイ。
| meir-énd-es | sóndel-an | sé | ném-ei. |
| 与える-<〜しますように>-<あなたが> | 書物-<対格> | この<軽性> | <私>-<与格> |
「この書物を私に譲ってくれぬか。」
同じ段の相手への依頼で、願望法の2人称を使う。目下の相手なら命令法 méir、目上の相手なら願望法の3人称にする。sóndel は軽性・子音語幹で、指示詞 sé も軽性の形をとる。
aurainiþénde aulisár lisán sé némei.
読み:アウライニセンデ アウリサール リサーン セー ネーメイ。
| au-rainiþ-énd-e | au-lis-ár | lis-án | sé | ném-ei. |
| <お〜になる・御〜>-教える-<〜しますように>-<(軽いものが)> | <お〜になる・御〜>-書く-<〜する人> | 字-<対格> | この<軽性> | <私>-<与格> |
「書記の方に、この字をお教えいただきたく存じます。」
目上の人に教えを請う改まった言い方。尊敬の au- を動詞と名詞の両方につけ、願望法の3人称で頼む。強勢は願望法の -énd- に移り、語根の強勢は消える。
ésa lisá sé gléin.
読み:エーサ リサー セー グレーン。
| és-a | lisá | sé | gléin. |
| いる-<(軽いものが)> | 字<主格> | この<軽性> | 清い |
「この字は清い(美しく整っている)。」
字の美しさをほめる言い方。繋辞 és- を文頭に置き、「és-–主語–述語」の順にする。字 lisá は言葉を載せて昇るものなので軽性で、繋辞は -a、述語の gléin も軽性・主格の形になる。
ésa lisá sáindares sé gléin.
読み:エーサ リサー サインダレス セー グレーン。
| és-a | lisá | sáindar-es | sé | gléin. |
| いる-<(軽いものが)> | 文面<主格> | 証文-<属格> | この<軽性> | 清い |
「この証文の文面は清い(書き換えの跡がない)。」
lisá は「字」から転じて、書かれた文面全体を指すことがある。名詞句の並びは「名詞–属格–指示詞」。gléin「清い」は、文面について言うと、改ざんがなく正しいという含みになる。
selvána rainiþár ré ésa traimlisá sé fóndel.
読み:セルヴァーナ ライニサール レー エーサ トラインリサー セー フォンデル。
| selván-a | rainiþ-ár | ré | és-a | traimlisá | sé | fóndel. |
| おっしゃる-<(軽いものが)> | 教える-<〜する人> | <〜と(節)> | いる-<(軽いものが)> | 年ごとの記録<主格> | この<軽性> | 古い |
「この年ごとの記録は由緒あるものだと、師はおっしゃる。」
学び舎での言い方。fóndel は「由緒ある古さ」を表す形容詞で、trúum「古びた」とは含みが違う。師を高めて「言う」の尊敬の補充形 selván- を使っている。
ésa endríña sé kloimár némes.
読み:エーサ エンドリーニャ セー クロイマール ネーメス。
| és-a | endríña | sé | kloimár | ném-es |
| いる-<(軽いものが)> | 子ども<主格> | この<軽性> | 弟子<主格> | <私>-<属格> |
「この子は私の弟子だ。」
「AはBだ」の文で、繋辞 éis- を文頭に置き、主語・述語の順に並べる。指示詞 sé は主語の名詞句の終わりを示す。述語の kloimár は主語と同じく主格になる。
na ésa virnourá viréi sé.
読み:ナ エーサ ヴィルノウラー ヴィレー セー。
| na | és-a | virnourá | vir-éi | sé |
| <〜ない> | いる-<(軽いものが)> | 意味<主格> | 言葉-<与格> | この<軽性> |
「この言葉には意味がない。」
所有は「持つ」という動詞ではなく、「ある+持ち主の与格」で言う。動詞は持たれている物 virnourá(軽性)に一致する。否定の na は動詞の直前に置く。
selvána aurél ré ésa mélna sé gléin.
読み:セルヴァーナ アウレール レー エーサ メルナ セー グレーン。
| selván-a | aurél | ré | és-a | mélna | sé | gléin |
| おっしゃる-<(軽いものが)> | あの方<主格> | <〜と(節)> | いる-<(軽いものが)> | 詩<主格> | この<軽性> | 清い |
「あの方は、この詩は清いとおっしゃる。」
目上の人の言葉を伝える改まった言い方。selván- は「言う」の尊敬の補充形。ré の後ろの節も動詞で始まり、繋辞 ésa が主語 mélna(軽性)に一致する。
ké ésa virnourá viréi sé?
読み:ケー エーサ ヴィルノウラー ヴィレー セー?
| ké | és-a | virnourá | vir-éi | sé |
| <〜か> | いる-<(軽いものが)> | 含み<主格> | 言葉-<与格> | この<軽性> |
「この言葉に含みはあるか。」
詩合わせなどで、目上の者が目下の者を試すときの問い。はい・いいえで答える問いなので、文のいちばん前に ké を置く。所有の文で、動詞は持ち主の viréi(与格)ではなく、持たれている virnourá(軽性)に一致して ésa になる。答えるときは動詞を繰り返して ésa(ある)か na ésa(ない)と言い、人称は変えない。virá は語尾に強勢のある軽性a語幹の名詞で、与格は -éi になる。
na ésa aurlisím sáindarei sé, kloimár.
読み:ナ エーサ アウルリシーン サインダレイ セー、クロイマール。
| na | és-a | aurlisím | sáindar-ei | sé, | kloim-ár. |
| <〜ない> | いる-<(軽いものが)> | 上げ書き<主格> | 証文-<与格> | この<軽性> | 学ぶ-<〜する人> |
「弟子よ、この証文には上げ書きがないぞ。」
学び舎で師が弟子の書いたものを直すときの言い方。存在文は「いる+主語+場所の与格」の形をとり、動詞は主語の aurlisím(軽性)に一致する。sáindar は軽性の子音語幹なので、与格は -ei になる。呼びかけの kloimár は呼格にしない。文末に読点で区切って添える。
tóra fléila sé es aulisáres.
読み:トーラ フレーラ セー エス アウリサーレス。
| tór-a | fléila | sé | es | au-lis-ár-es. |
| 来る-<(軽いものが)> | 手紙<主格> | この<軽性> | から | <お〜になる・御〜>-書く-<〜する人>-<属格> |
「この手紙は、書記の方から届いたものでございます。」
目上の人から来た手紙を取り次いで差し出すときの言い方。差出人を役職名に au- をつけた形で言い、es+属格で「〜から」を表す。指示詞 sé は軽性で格変化せず、名詞句の終わりの目印になる。
sén sáindaran sé te lísa lisár!
読み:セーン サインダラン セー テ リーサ リサール!
| sén | sáindar-an | sé | te | lís-a | lis-ár! |
| 見る<命令法><あなたが> | 証文-<対格> | この<軽性> | <関係節> | 書く-<(軽いものが)> | 書く-<〜する人> |
「書記が書いたこの証文を見ろ。」
役所や商家で、目上の者が目下の者に言う命令で、下向きの話し方にあたる。関係節は名詞句のいちばん最後に置く。ti のすぐ後ろには動詞が来る。関係節の目的語にあたる部分(証文)は、何も置かずに空けておく。指示詞 sé「この」は ti の前に置いてよい。sáindar「証文」は軽性の子音語幹の名詞なので、対格は -an になり、指示詞も軽性の sé になる。動詞には時制がないので、lísa は文脈によって「書いた」とも訳せる。
trálim sóndelan sé.
読み:トラーリン ソンデラン セー。
| trál-im | sóndel-an | sé. |
| 写す-<私が> | 書物-<対格> | この<軽性> |
「この書物を写す。」
時制がないので、習慣としても予定としても読める。指示詞は名詞の後ろに置き、格では形が変わらない。
kréla virá sé.
読み:クレーラ ヴィラー セー。
| krél-a | virá | sé |
| 足りる-<(軽いものが)> | 言葉<主格> | この<軽性> |
「この言葉で足りる。」
改まった場で、宣言・証言・詩の挨拶のあと、言うべきことを言ったと表明する表現。「この言葉で(言いたいことは)十分だ」の意で、比喩的な充足(意味の2)を表す。主語の virá「言葉」は軽性a語幹なので、動詞は軽性の -a。指示詞 sé(軽性)が名詞句を閉じる。法典や裁きの場で、証人が言い終えたあとに法官が言って場を閉じる文脈でよく見られる。
múndaura faronár sé.
読み:ムンダウラ ファロナール セー。
| múndaur-a | faronár | sé. |
| 笑う-<(軽いものが)> | 運び人<主格> | この<軽性> |
「この運び人は笑っている。」
運び人どうしのくだけた場面。人を指す faronár は軽性なので、動詞は3人称単数・軽性の語尾 -a を受ける。指示詞 sé は軽性の名詞句に付く軽性形。múndaur- は声そのものではなく、口角と口の動きそのものを描く動詞で、声を出して笑う語とは焦点が違う。
ruunáura lisár sé
読み:ルーナウラ リサール セー
| ruun-áur-a | lis-ár | sé |
| 背-昇-<(軽いものが)> | 書く-<〜する人> | この<軽性> |
「この書記は肩をすくめる。」
日常の会話で、人の身振りを述べる文。主語は人なので動詞は軽性一致をとる。背 rúun は複合語に組み込まれ、独立した名詞としては現れない。
ésa endríña sé þrúl.
読み:エーサ エンドリーニャ セー スルール。
| és-a | endríña | sé | þrúl |
| いる-<(軽いものが)> | 子供<主格> | この<軽性> | 騒がしい |
「この子はうるさい。」
人が騒いでいるという、家庭内の日常的な悪口・注意。endríñaは人を指すので軽性、述語形容詞þrúlは軽性単数主格のまま無標になる。改まった場では使わない。
ésa fléura sé múl
読み:エーサ フレウラ セー ムール
| és-a | fléura | sé | múl |
| いる-<(軽いものが)> | 雲<主格> | この<軽性> | 厚い |
「この雲は厚い。」
天候を話す場面の文。fléura「雲」は軽性で、主格単数の指示詞 sé を受ける。指示詞の後の múl は名詞句外の述語形容詞で、軽性単数主格では無語尾。
sénim plánan múlan sé
読み:セーニン プラーナン ムーラン セー
| sén-im | plán-an | múl-an | sé |
| 見る-<私が> | 帳簿-<対格> | 分厚い-<対格> | この<軽性> |
「私はこの分厚い帳簿を見る。」
帳簿など一枚ものの厚みを指す sense 2 の用法。plána「帳簿」は軽性で、対格単数では plánan になる。形容詞 múl も軽性対格の語尾 -an を受けて múlan となる。指示詞 sé は格標識をもたない。
þrúsa unlóur endríña sé.
読み:スルーサ ウンロール エンドリーニャ セー。
| þrús-a | unlóur | endríña | sé. |
| くすくす笑う-<(軽いものが)> | まだ | 子ども<主格> | この<軽性> |
「この子はまだくすくす笑っている。」
炉ばたなどくだけた場面の日常表現。副詞 unlóur は肯定文で「まだ~している」を表し、動詞の直後・主語の前に置く。指示詞 sé は名詞 endríña の性に応じて軽性の形を取り、名詞句の末尾に添える。主語 endríña は人を指す軽性単数なので、動詞は3人称単数軽性語尾 -a をとる。
dulilána endríña elþán sé.
読み:ドゥリラーナ エンドリーニャ エルサーン セー。
| dulilán-a | endríña | elþ-án | sé. |
| 消す-<(軽いものが)> | 子ども<主格> | 火-<対格> | この<軽性> |
「子どもはこの火を消している。」
炉場や家庭での日常文。人の子は軽性なので、3単の語尾は -a。
tána houmár snélan sé.
読み:ターナ ホウマール スネーラン セー。
| tán-a | houm-ár | snél-an | sé. |
| 張る-<(軽いものが)> | 炉-<〜する人・主格> | 布-<対格> | この<軽性> |
「家主はこの布を張る。」
家の中で、染め・仕上げ・干しのために布を枠などに平らに張る場面。主語「houmár」は軽性名詞なので、動詞は軽性単数の tána。「snéla」は軽性a語幹で、対格は snélan、指示詞は軽性の sé。
buléra virá sé.
読み:ブレーラ ヴィラー セー。
| bulér-a | virá | sé. |
| 絡まる-<(軽いものが)> | 言葉<主格> | この<軽性> |
「この言葉は、発音の流れが絡まる。」
発話や音読の文脈で使う。声の質が裂けることではなく、音と形の対応が定まらず発話の流れが途切れることを指す。主語 virá は軽性単数なので、動詞は3人称単数軽性 -a を取る。
súna mélna sé nourán
読み:スーナ メルナ セー ノウラーン
| sún-a | mélna | sé | nour-án |
| 袖引く-<(軽いものが)> | 詩<主格> | この<軽性> | 心-<対格> |
「この詩は心を引く。」
書物・詩の用法。sún- は比喩的に「聞き手の注意や関心を軽く引く」意になる。主語 mélna「詩」は軽性a語幹なので、動詞は軽性の直説法3人称単数 sún-a。nourán は軽性a語幹 nourá「心」の対格。
ésa sélnar sé fóum.
読み:エーサ セルナル セー フォーン。
| és-a | sélnar | sé | fóum. |
| いる-<(軽いものが)> | 宿<主格> | この<軽性> | 暖かい |
「この宿は暖かい。」
日常会話。軽性名詞sélnarを主語にとる述語形容詞文。指示詞séは名詞句の終わりに置かれる。
luuménde ausenár kráunan sé.
読み:ルーメンデ アウセナール クラウナン セー。
| luum-énd-e | au-sen-ár | kráun-an | sé |
| ご覧になる-<〜しますように>-<(軽いものが)> | <お〜になる・御〜>-見る-<〜する人> | 襟-<対格> | この<軽性> |
「「目付殿に、この襟をご覧いただきたく存じます」」
改まった依頼。命令法の代わりに願望法3人称を使い、相手は高めた役職名ausenárを主語に立つ。kráunanは軽性子音語幹の単数対格、指示詞sé。
sórel, plelíþim anrásan sé.
読み:ソーレル、プレリーシン アンラーサン セー。
| sórel, | plel-íþ-im | anrása-n | sé. |
| 今日, | 着る-<〜させる>-<私が> | 上着-<対格> | この |
「今日、私はこの上着を着る。」
自動詞 plél- に使役接尾辞 -íþ- を付け、直接目的語 anrásan を取れるようにする。使役接尾辞が強勢をとり語根の強勢は消えるため、実形は plelíþim となる。軽性a語幹の「上着」anrása は、対格では anrása-n と分析し、実形は anrásan となる。主語の代名詞は動詞の1人称語尾 -im で示されるため、文では言わない。
vélma lisár plánan sé.
読み:ヴェルマ リサール プラーナン セー。
| vélm-a | lis-ár | plán-an | sé. |
| 開く-<(軽いものが)> | 書く-<〜する人・主格> | 帳簿-<対格> | この<軽性> |
「書記はこの帳簿を開く。」
帳面・書物を開いて、中に書かれた字を参照する用法。主語 lisár は軽性の行為者名詞なので、動詞は3人称単数・軽性の -a をとる。
ésa píma sé þáun.
読み:エーサ ピーマ セー サウン。
| és-a | píma | sé | þáun. |
| いる-<(軽いものが)> | 紙<主格> | この<軽性> | 薄い |
「この紙は薄い。」
日常の帳場・道具の場面。píma は軽性の名詞なので、存在・繋辞の動詞は軽性の語尾 -a を受ける。指示詞 sé は名詞 píma に性で対応して名詞句の終わりに置かれ、形容詞 þáun は主語に一致して述語となる。
ésa virá sé þálva
読み:エーサ ヴィラー セー サルヴァ
| és-a | virá | sé | þálva |
| いる-<(軽いものが)> | 言葉<主格> | この<軽性> | 冗談<主格> |
「この言葉は冗談だ。」
言葉の意味を説明する言い方。þálva は述語名詞として主格のまま置かれる。名詞句は「名詞+指示詞」の語順。
selvatáula ólmar þelán sé.
読み:セルヴァタウラ オルマル セラーン セー。
| selvatául-a | ólmar | þel-án | sé |
| 聞き取る-<(軽いものが)> | 年長者<主格> | 名前-<対格> | この<軽性> |
「年長者がこの名を聞き取る。」
改まった名乗り・系譜の場面。名 þelá の対格 þelán に指示詞 sé を添える。主語 ólmar は人を指す軽性。
nanóira endríña sé.
読み:ナノイラ エンドリーニャ セー。
| nanóir-a | endríña | sé. |
| 眠れない-<(軽いものが)> | 子ども<主格> | この<軽性> |
「この子は眠れない。」
日常会話。na nóir- による通常の否定では「眠らない」意になり、nanóir- は眠ろうとしても眠りに入れない意を表す。浅い眠りを直接指す語としては使わない。軽性a語幹 endríña の主格単数は語全体とし、名詞句の終わりに軽性の指示詞 sé を置く。動詞は軽性・単数の主語に一致する。
káula álmar sé.
読み:カウラ アルマル セー。
| kául-a | álmar | sé. |
| 満ちる-<(軽いものが)> | 白月<主格> | この<軽性> |
「この白月が満ちる(満月となる)。」
暦や儀礼の読み上げ向き。月について kául- は輪の欠けがなくなることを表す。álmar は軽性子音語幹、指示詞 sé は軽性。
þéura endríña sé.
読み:セウラ エンドリーニャ セー。
| þéur-a | endríña | sé |
| 背を向ける-<(軽いものが)> | 子ども<主格> | この<軽性> |
「その子は背を向けた。」
物理的な方向転換としての基本用法。単独でも「向きを変えた」「そっぽを向いた」の意味になる。
rainíþa rainiþár pílman sé.
読み:ライニーサ ライニサール ピルマン セー。
| rainíþ-a | rainiþár | pílm-an | sé |
| 教える-<(軽いものが)> | 師<主格> | 字の読み-<対格> | この<軽性> |
「師がこの字の読みを教える。」
文字教学の場での文。pílma の単数対格は pílman。読みそのものは物・抽象物として扱うが、主語 rainiþár は人なので動詞は軽性単数になる。
lóima kloimár pílmais sé.
読み:ロイマ クロイマール ピルマイス セー。
| lóim-a | kloimár | pílm-ais | sé |
| 唱える-<(軽いものが)> | 弟子<主格> | 字の読み-<〜たちを> | この<軽性> |
「弟子がこれらの字の読みを唱える。」
読み一覧や声出しの練習で用いる文。pílma の複数対格は pílmais。指示詞 sé は数を標識しないので、複数名詞句にもそのまま添えられる。
léunim lisíñan sé.
読み:レウニン リシーニャン セー。
| léun-im | lisíñ-an | sé. |
| 申す-<私が> | 字のしるし-<対格> | これ<軽性> |
「この字のしるしを申し上げます。」
自分の注記をへりくだって示す場面。謙譲の léun- を使う。lisíñ は指小語として、公式の印ではなく小さな補助符号をへりくだって指す。
ésa virá sé nalóun.
読み:エーサ ヴィラー セー ナローン。
| és-a | virá | sé | na-lóun. |
| いる-<(軽いものが)> | 言葉<主格> | この<軽性> | <〜ない>-長い |
「この言葉は短い。」
発話・言葉が長く続かず手短であることを言う意味2。軽性 virá に合わせる。直に「短い」と断定するより角が立たない、礼法的・事務的な響き。
þráun hilvíñan sé
読み:スラウン ヒルヴィーニャン セー
| þráun | hilvíñ-an | sé |
| 投げる<命令法><あなたが> | 雪玉-<対格> | この<軽性> |
「この雪玉を投げろ。」
子ども同士や親しい者どうしのくだけた命令。命令法 2人称単数は語幹のむき出し形で表す。目的語も軽性 a 語幹の斜格語幹 hilvíñ- に -an を付けた形。指示詞 sé は名詞句の末尾に置く。
na ráinim kléiman sé
読み:ナ ライニン クレーマン セー
| na | ráin-im | kléim-an | sé |
| <〜ない> | 知る-<私が> | 呼称-<対格> | この<軽性> |
「この呼称を知らない。」
日常・学び。否定の na は動詞の直前に置く。主語の代名詞は語尾に含まれる。目的語の呼称に軽性対格 -an、指示詞 sé を添える。
ésa houmprósa sé sáun.
読み:エーサ ホウンプローサ セー サウン。
| és-a | houmprósa | sé | sáun |
| いる-<(軽いものが)> | 椀押し<主格> | この<軽性> | 良い |
「この椀押しはよい。」
作法書のような、一般の是非を述べる文。指示詞は名詞に応じて sé をとり、繋辞は軽性単数の形となる。
ésa filíña sé gléin.
読み:エーサ フィリーニャ セー グレーン。
| és-a | filíña | sé | gléin. |
| いる-<(軽いものが)> | 字母<主格> | この<軽性> | 清い |
「この字母は清い。」
名詞句 filíña sé を主語とし、述語の形容詞 gléin がこれを受ける。繋辞 ésa は軽性 3 人称単数。
ésa flaindulíña sé nalóun.
読み:エーサ フラインドゥリーニャ セー ナローン。
| és-a | flaindulíña | sé | nalóun |
| いる-<(軽いものが)> | 小下りの儀<主格> | この<軽性> | 短い |
「この小下りの儀は短い。」
存在・繋辞 ésa が文頭に立つ。主格の名詞は語を切らない。flaindulíña は軽性a語幹で、指示詞 sé も軽性の形。形容詞 nalóun は主語に合わせて無表記。日常で作法の長さを説明する言い方。
wéina virá sé leimó.
読み:ウェーナ ヴィラー セー レイモー。
| wéin-a | virá | sé | leimó. |
| なる-<(軽いものが)> | 言葉<主格> | この<軽性> | 遺体<対格> |
「この言葉は抜け殻になる。」
詩や改まった言葉での比喩用法。 wéin-「〜になる」は成り行き先を対格にとる。重性名詞 leimó は対格も主格と同じ形。中心名詞 virá は軽性なので、指示詞は sé を使う。形だけ残って中身のない言葉、特に心のない詩句や形式だけの儀礼をさす。
ké tóra faronár sé es dulóros?
読み:ケー トーラ ファロナール セー エス ドゥローロス?
| ké | tór-a | faron-ár | sé | es | dulór-os? |
| <〜か> | 来る-<(軽いものが)> | 荷-<〜する人・主格> | この<軽性> | から | ドゥローラ-<属格> |
「この運び人は、ドゥローラから来たのか。」
道場や宿での確認の文。疑問小辞 ké は文頭に置く。faron-ár は「荷に携わる人」の意。固有名詞 dulóra は重性o語幹の名詞として扱い、es の後に属格 dulóros をとる。指示詞 sé は faronár を修飾する軽性形。
áura lundá sé
読み:アウラ ルンダー セー
| áur-a | lundá | sé |
| 昇る-<(軽いものが)> | 節<主格> | この<軽性> |
「この節は上へ昇る。」
lundá を、言葉そのものより節回し・旋律として使う例。指示詞 sé は名詞句の後に置かれ、格変化しない。
na véilim lundán sé
読み:ナ ヴェーリン ルンダーン セー
| na | véil-im | lundá-n | sé |
| <〜ない> | 忘れる-<私が> | 節-<対格> | この<軽性> |
「私はこの節を忘れない。」
節・旋律という語義で、言葉を替えても歌えるものを指す。見出し語 lundá に単数対格が付いた lundán を使う。否定小辞 na は動詞の直前に置く。
méir rimblóna sé, ende.
読み:メール リンブローナ セー、エンデ。
| méir | rimblóna | sé, | ende. |
| 与える<命令法><あなたが> | 測り竿<対格> | この<軽性> | どうぞ |
「この測り竿をくれ、頼む。」
道具の受け渡しで使う、くだけた依頼文。縁の市の言葉では格語尾が落ち、本来の対格 rimblónan は rimblóna のまま出る。命令法の語幹 méir の後ろに名詞 rimblóna と指示詞 sé が続き、語末の ende が頼みの定型になる。
sén traimfilán sé
読み:セーン トラインフィラーン セー
| sén | traimfil-án | sé |
| 見る<命令法><あなたが> | 年輪-<対格> | この<軽性> |
「この年輪を見ろ」
木口を指して年輪を確かめる場での命令法。目的語は軽性a語幹 traimfilá の単数対格 traimfilán、指示詞 sé は軽性の名詞句末尾に置く。
rímba ráuvan traimfiláis sé
読み:リンバ ラウヴァン トラインフィライス セー
| rímb-a | ráuvan | traimfil-áis | sé |
| 数える-<(軽いものが)> | 森の巫<主格> | 年輪-<〜たちを> | この<軽性> |
「森の巫がこれらの年輪を数えている」
森の巫が年輪を数える場面を示す文。主語 ráuvan は人なので軽性とし、動詞は軽性3人称単数 -a で受ける。目的語が複数なので traimfiláis を使い、指示詞 sé は名詞句の末尾に置く。
ésa sáva sé gléin.
読み:エーサ サーヴァ セー グレーン。
| és-a | sáva | sé | gléin. |
| いる-<(軽いものが)> | 匙<主格> | この<軽性> | 清い |
「この匙は清い。」
sáva を主格で使う標準的な述語文。軽性の指示詞 sé は sáva を受け、gléin は述語の形容詞。
saléim anrásan sé, ende.
読み:サレーン アンラーサン セー、エンデ。
| saléim | anrása-n | sé, | ende |
| 外に据える<命令法> | 上着-<対格> | この<軽性> | どうぞ |
「この上着を脱いでくれ、頼む。」
親しい者や並ぶ段の相手に向ける依頼。saléim- は衣服・帽子・履物を体から外す婉曲語で、体を直接言わず衣服が外へ出る動きだけで着替えを表す。命令のむき出し語幹 saléim に ende を添えると、くだけた依頼になる。
mélirim snélan sé.
読み:メーリリン スネーラン セー。
| mélir-im | snél-an | sé |
| 染める-<私が> | 布-<対格> | この<軽性> |
「私はこの布を染める。」
日常の作業で、自分が染めていることを述べる文。語尾 -im が主語の一人称を表し、代名詞 ném は強調しない限り不要。目的語の布は軽性 a 語幹の単数対格 snélan。指示詞 sé は名詞句の末尾に置かれ、軽性を示す。
ésa dravéna sé kerél némores
読み:エーサ ドラヴェーナ セー ケレール ネーモレス
| és-a | dravéna | sé | kerél | némor-es |
| いる-<(軽いものが)> | 氏族の谷<主格> | この<軽性> | 谷<主格> | <我々>-<属格> |
「この森は我らの谷だ。」
氏族の谷を名指す用法の文。森の氏族の言葉では、dravéna は kerél「谷」と同義として「氏族の谷筋そのもの」を指す。存在動詞は主語 dravéna に合わせて軽性。述語名詞 kerél は主格のままで置かれ、指示語 sé は名詞の後ろに置く。系譜の語りや改まった自己紹介で、わが土地としての森を言う定型になる。
ésa torár sé ormároi aldáres áurenes.
読み:エーサ トラール セー オルマーロイ アルダーレス アウレネス。
| és-a | torár | sé | ormár-oi | aldár-es | áur-en-es. |
| いる-<(軽いものが)> | 客<主格> | この<軽性> | 左-<与格> | 座-<属格> | 昇る-<〜した・〜された>-<属格・軽性> |
「この客は高き座の左側にいる。」
儀礼・書物での位置記述。人を指す名詞 torár には軽性の動詞形が対応する。左側を ormároi で示し、その持ち主を属格句 aldáres áurenes「高き座の」で後に受ける。左は尊い側とされる。
ésa andaulóura sé lourvirár.
読み:エーサ アンダウローラ セー ロウルヴィラール。
| és-a | andaulóura | sé | lourvirár. |
| いる-<(軽いものが)> | 祖母<主格> | この<軽性> | 系譜読み<主格> |
「祖母(家のおばあ)は、系譜読みだ。」
この用例では「祖母」が、家系図を読み預かる家屋の老女を指す呼称として使われている。主語 andaulóura sé は軽性a語幹の名詞句で、指示詞 sé を名詞の後ろに置く。繋辞 és- は軽性単数の主語に合わせて 3SG.LT の -a をとる。述語 lourvirár は名詞のまま、主格の裸形を置く。家では個人名で呼ばず、この呼称そのものが呼び名になる。
loiménde andaulóura sé lourlisán.
読み:ロイメンデ アンダウローラ セー ロウルリサーン。
| loim-énd-e | andaulóura | sé | lourlis-án. |
| 唱える-<〜しますように>-<(軽いものが)> | 祖母<主格> | この<軽性> | 系譜の巻-<対格> |
「この祖母(家のおばあ)に、系譜の巻を唱えていただきたい。」
年長者に直接命令せず、願望法・3人称単数・軽形の loiménde で上向きの依頼を表す。主語 andaulóura sé は軽性a語幹で、指示詞 sé を伴う。対象 lourlisá も軽性a語幹で、対格は lourlisán になる。家系の老女として系譜を預かる年長の女性を、敬意と親しみをこめてこの語で呼ぶ。
sán rásai eulérenai sé.
読み:サーン ラーサイ エウレーレナイ セー。
| sán | rás-ai | euléren-ai | sé. |
| いる<彼らが> | 衣-<〜たちが> | 別々の-<〜たちが> | この<軽性> |
「これらの衣は互いに違っている。」
比べる相手を言わない複数主語なので、「それぞれ別だ」の意味になる。日常の仕立てや市でのやり取りの形。指示詞 sé が名詞句の終わりを示す。
ésa lislíra sé sélen.
読み:エーサ リスリーラ セー セーレン。
| és-a | lislíra | sé | sélen |
| いる-<(軽いものが)> | 書行<主格> | この<軽性> | 正しい |
「この書行は正しい。」
帳簿や書物の一行を読み合わせ、その行の位置や区切りが正しいことを確かめる日常の言い回し。lislíra は軽性名詞なので、存在・繋辞の動詞は軽性 3 人称単数の -a、指示詞は軽性の sé を取る。名詞句は「名詞+指示詞」の順で、指示詞 sé が名詞句の終わりの目印になる。
géla berunvríma sé du orén.
読み:ゲーラ ベルンヴリーマ セー ドゥ オレーン。
| gél-a | berunvríma | sé | du | orén. |
| 行く-<(軽いものが)> | 道連れ<主格> | この<軽性> | 下手 | 縁<対格> |
「この道連れは縁へ行く。」
道行き・縁往来での日常的な言い方。名詞句は名詞+指示詞の順。berunvríma は行程を共有する人を含む語として軽性扱いとなり、動詞は軽性の3人称単数語尾 -a をとる。
sén reiníñan sé, ende
読み:セーン レイニーニャン セー、エンデ
| sén | reiníñ-an | sé, | ende |
| 見る<命令法><あなたが> | 小雨-<対格> | この<軽性> | どうぞ |
「この小雨を見ておくれ。」
くだけた日常の依頼。動詞命令法に、決まり文句 ende を添えてやわらげている。軽性a語幹名詞 reiníña の対格は語根 reiníñ- に -an を付けた形。指示詞 sé は軽性の形。
lusérim lúsan sé.
読み:ルセーリン ルーサン セー。
| lusér-im | lús-an | sé. |
| 流質の食事をとる-<私が> | 粥-<対格> | この<軽性> |
「私はこの粥を、流質の食事としていただこう。」
食卓での改まった申し出。くだけた場では mán- や súl- に置き換えられることが多い。名詞 lúsa は軽性a語幹で、対格は lúsan。指示詞 sé は軽性の形。
snáula arnélvar sé.
読み:スナウラ アルネルヴァル セー。
| snául-a | arnélvar | sé |
| 生える-<(軽いものが)> | 森<主格> | この<軽性> |
「この森が育っていく。」
日常の言い方。軽性の名詞 arnélvar を主語に取るため、動詞は3人称単数・軽性の -a をとる。指示詞 sé は軽性の形。VSO の基本語順で、指示詞は名詞の後ろに置かれている。
éso prámbo viréi sé.
読み:エーソ プランボ ヴィレー セー。
| és-o | prámbo | vir-éi | sé |
| いる-<(重いものが)> | 値打ち<主格> | 言葉-<与格> | この<軽性> |
「この言葉には値打ちがある。」
prámbo の語義 2「値打ち」。存在文に与格を組み合わせた「〜には値打ちがある」の言い方。prámbo は重性なので動詞は éso となる。virá の与格 viréi の後に指示詞を添えて「この言葉」とする。
na éso prámbo torárei sé.
読み:ナ エーソ プランボ トラーレイ セー。
| na | és-o | prámbo | torár-ei | sé |
| <〜ない> | いる-<(重いものが)> | 値打ち<主格> | 客-<与格> | この<軽性> |
「この客には値打ちがない。」
torár の与格 torárei に指示詞 sé を添える。torár は軽性。人をこの形にすると「この人は値打ちがない」という当てこすりになる。
ésa sé freunþál te kúnda andaulóura.
読み:エーサ セー フレウンサール テ クンダ アンダウローラ。
| és-a | sé | freunþál | te | kúnd-a | andaulóura |
| いる-<(軽いものが)> | この<軽性> | 額寄せ<主格> | <関係節> | する-<(軽いものが)> | 祖母<主格> |
「これは、祖母がする額寄せです。」
日常の家庭文脈で、どのような所作かを説明する文。freunþál は述語名詞だが、関係節 te kúnda andaulóura の中で目的語として受け取られている。関係節は名詞句の終わりに置かれ、関係節内部は VSO 語順になる。freunþál 自体には格標識がつかない。
ésa sé freunþál te findíþa líura.
読み:エーサ セー フレウンサール テ フィンディーサ リーウラ。
| és-a | sé | freunþál | te | findíþ-a | líura |
| いる-<(軽いものが)> | この<軽性> | 無言の労い<主格> | <関係節> | 伝える-<(軽いものが)> | 女<主格> |
「これは、女が伝える額寄せの慰めです。」
声に出さない慰めを説明する、やや書物的な定義文。freunþál は述語名詞だが、関係節 te findíþa líura の中で目的語として理解される。関係節内部は VSO 語順。freunþál は主格の形をそのまま保つ。
ké ésa torár sé þelvéun?
読み:ケー エーサ トラール セー セルヴェウン?
| ké | és-a | torár | sé | þelvéun? |
| <〜か> | いる-<(軽いものが)> | 客<主格> | この<軽性> | 名知らぬ |
「この客は、名知らぬ方でしょうか。」
日常で、客がまだ名を告げていないことを、名なしと断じずに確認する言い方。torár は軽性単数なので動詞は és-a。指示詞 sé が名詞の直後に置かれ、その後の þelvéun は修飾語ではなく述語として読む。ké を使うのは同等・目下への問いで、客そのものではなく、同伴者や主人へ向けた確認とする。
funeléra lisár próunan sé.
読み:フネレーラ リサール プローナン セー。
| funelér-a | lis-ár | próun-an | sé. |
| 書き留める-<(軽いものが)> | 書く-<〜する人> | 正当な所有者-<対格> | この<軽性> |
「書記がこの正当な所有者を書き留める。」
帳簿・記録の場面。帳簿上の帰属先として、正当な所有者を名指しして記す。próun は人を指すので軽性。単数対格は próunan。指示詞 sé は性を示し、格では変化しない。
méira senár sáindaran próunei sé.
読み:メーラ セナール サインダラン プローネイ セー。
| méir-a | sen-ár | sáindar-an | próun-ei | sé. |
| 与える-<(軽いものが)> | 見る-<〜する人> | 証文-<対格> | 正当な所有者-<与格> | この<軽性> |
「目付が証文をこの正当な所有者に渡す。」
証文交付・帳簿上の精算の場面。返還・請求の相手として、正当な所有者に交付する。próun の与格は próunei。VSO の基本語順では、与格は目的語の後に置く。
na ésa faronár sé próun.
読み:ナ エーサ ファロナール セー プローン。
| na | és-a | faron-ár | sé | próun. |
| <〜ない> | いる-<(軽いものが)> | 荷-<〜する人・主格> | この<軽性> | 正当な所有者<主格> |
「この運び人は正当な所有者ではない。」
荷をめぐる日常的な紛争の場面。運び人は荷を担いでいるだけで、法的には正当な所有者ではないことを言い表す。否定は直説法の動詞の前に na を置く。
tínim viréi sé.
読み:ティーニン ヴィレー セー。
| tín-im | vir-éi | sé |
| 慣れる-<私が> | 言葉-<単数・与格> | この<軽性> |
「この言葉に慣れている。」
日常会話。話者本人が、言葉などの型に落ちついた状態にあることを言う。virá の単数与格は vir-éi。指示詞 sé は性のみで形が変わり、格では変わらない。
krémban virái sé nouráis
読み:クレンバン ヴィライ セー ノウライス
| krémb-an | vir-ái | sé | nour-áis |
| 引きつける-<彼らが> | 言葉-<〜たちが> | この<軽性> | 心-<〜たちを> |
「これらの言葉は、心を引きつける。」
くだけた日常語でも使える喩的用法。主語が複数なので動詞は3人称複数形をとり、性を区別しない。目的語は「心」の複数対格 nouráis。krémb- の本来の「引く・曳く」から、心や関心を引きつける意味へ転じた文。
krémba virá séuril sé nourán
読み:クレンバ ヴィラー セウリル セー ノウラーン
| krémb-a | virá | séuril | sé | nour-án |
| 引きつける-<(軽いものが)> | 言葉<主格> | 美しい | この<軽性> | 心-<対格> |
「この美しい言葉は、心を引きつける。」
詩的・改まった文体での用法。形容詞 séuril は名詞の直後、指示詞の前に置く。主格の軽性a語幹 virá は語全体を一つの形態素として書き、主語が軽性単数なので動詞は 3人称単数・軽性形 krémba になる。心を引きつけるという抽象的な目的語も、本来の他動詞 krémb- の枠に収まる。
fíndim gláuran sé.
読み:フィンディン グラウラン セー。
| fínd-im | gláur-an | sé |
| 聞く-<私が> | 笑い声-<対格> | この<軽性> |
「私はこの笑い声を聞く。」
日常会話で、笑いを直接耳にしたいう句。gláur は軽性子音語幹名詞で、単数対格は -an。指示詞 sé は名詞の後ろに置き、軽性単数の形。fíndim は直説法1人称単数で、時制は語形には表れない。
ésa gláur sé rúgal.
読み:エーサ グラウル セー ルーガル。
| és-a | gláur | sé | rúgal |
| いる-<(軽いものが)> | 笑い声<主格> | この<軽性> | 粗い |
「この笑い声は粗い。」
笑い声の声質を評す文。gláur は軽性なので、存在・繋辞 ésa は軽性単数。指示詞 sé は軽性単数。述語形容詞 rúgal は主語に一致して軽性単数主格の無語尾形。
púnim plánan sé
読み:プーニン プラーナン セー
| pún-im | plán-an | sé |
| 覗く-<私が> | 帳簿-<対格> | この<軽性> |
「私はこの帳簿を、確かめるように覗いている。」
自分の帳簿の細部や行を確認する場面。plána は軽性 a 語幹で、対格には -an をつける。指示詞 sé は軽性の名詞句の最後に置いて対象を指す。
ésa tíula sé núl
読み:エーサ ティーウラ セー ヌール
| és-a | tíula | sé | núl |
| いる-<(軽いものが)> | 音<主格> | この<軽性> | 低い |
「この声は低い。」
tíula が軽性名詞句の中心で、指示詞 sé が名詞句を閉じる。その後の núl は名詞句内部の修飾語ではなく述語形容詞になる。軽性単数の述語形容詞は無語尾。声・音のピッチが低いことを言う。
ésa aldár sé dúlen.
読み:エーサ アルダール セー ドゥーレン。
| és-a | aldár | sé | dúlen |
| いる-<(軽いものが)> | 座<主格> | この<軽性> | 低い |
「この席は低い。」
主語は軽性名詞 aldár。指示詞 sé は名詞の後ろに置く。述語形容詞 dúlen は軽性主格単数で無語尾。
þréuna plána sé.
読み:スレウナ プラーナ セー。
| þréun-a | plána | sé. |
| 根拠が揺れる-<(軽いものが)> | 帳簿<主格> | この<軽性> |
「この帳簿は、根拠が少し揺らぐ。」
比喩用法。帳簿の記し・勘定の裏付けに疑いが出たことを言う。帳簿 plána は紙の書物なので軽性。指示詞 sé は軽性形。帳場や縁の市のようなくだけた場面での評。
ké kréula endríña sé?
読み:ケー クレウラ エンドリーニャ セー?
| ké | kréul-a | endríña | sé? |
| <〜か> | 首を振る-<(軽いものが)> | 子<主格> | この<軽性> |
「この子は首を振ったのか。」
日常のはい/いいえの疑問。文頭に ké を置く。主語の軽性名詞句は名詞の後に指示詞を置き、句末は指示詞が目印になる。
noumovíra endríña sé
読み:ノウモヴィーラ エンドリーニャ セー
| noumo-vír-a | endríña | sé |
| 顔-言う-<(軽いものが)> | 子<主格> | この<軽性> |
「この子は顔で伝える。」
家庭や親しい者どうしの日常の場面。noumovír- は「顔が言う(無言で伝える)」の自動詞で、文の主語は顔そのものではなく、顔で通じる人物にとる。主語 endríña は軽性なので、動詞は3人称単数・軽性の -a をとる。指示詞 sé は名詞句の末尾に置かれる。
þraka endríña sé.
読み:スラカ エンドリーニャ セー。
| þrak-a | endríña | sé. |
| 呆れる-<(軽いものが)> | 子ども<主格> | この<軽性> |
「この子は呆れている。」
家庭や暮らしの場面での三人称文。主語の endríña は人で軽性なので、動詞は軽性の語尾 -a をとる。指示詞 sé は名詞の後ろに置かれ、名詞句を閉じる。呆れる義では、ため息や眉をひそめる表情を含んだ無言の態度を指すことがある。
na pléla sélvan þelasnélan sé.
読み:ナ プレーラ セルヴァン セラスネーラン セー。
| na | plél-a | sélvan | þelasnél-an | sé. |
| <〜ない> | 着る-<(軽いものが)> | セルヴァン<主格> | 頭巾-<対格> | この<軽性> |
「セルヴァンはこの頭巾を身につけない。」
記録や叙述のような中立的な文。否定は動詞の直前に na を置く。plél- は自動詞なので、目的語を伴う他動詞用法は使役 -íþ- で作る。改まった婉曲語 þelasnéla は、礼装を記録する文脈でも用いられる。
sénim anrásan sé.
読み:セーニン アンラーサン セー。
| sén-im | anrás-an | sé. |
| 見る-<私が> | 上層の衣-<対格> | この<軽性> |
「私はこの上層の衣を見る。」
衣服の説明や整理の場面などで、内側の衣と区別した最上層を見ると言う文。anrása の対格は語根 anrás- に -an が付く形。指示詞 sé は格変化しない。
ké ésa snóur sé sáun?
読み:ケー エーサ スノール セー サウン?
| ké | és-a | snóur | sé | sáun? |
| <〜か> | いる-<(軽いものが)> | 整い<主格> | この<軽性> | 良い |
「この整いはよいですか。」
日常会話での確認・批評。整い(意味2)は物の輪そのものではなく、外見としてととのっている度合いを表す。主語 snóur は軽性子音語幹なので、存在・繋辞 és- は軽性単数形 ésa になる。指示詞は名詞に一致して軽性の sé を使う。
軽性の名詞につく指示詞「この」。強勢をもち、性だけで形が変わり、格では変化しない。名詞の後ろ、属格の後ろに置き、関係節がなければ名詞句の終わりの目印に、関係節があればその直前の目印になる。重性の名詞には só を使う。王は自分を「我」と言わず、aldár sé「この座」と3人称で言う。
指示詞(軽性)。強勢をもち、格変化しない。名詞・形容詞・属格の後ろに置く。関係節 te の前にも置ける。
古高原語 *sé から。軽性の指示詞として古くからある語。
左の一覧から語を選ぶか、上の検索欄に日本語またはローマ字を入れてください。
左の目次から課を選んでください。
左の一覧から選んでください。
高原語で書かれた読み物です。左の一覧から選んでください。
左の目次から話を選んでください。
小説・世界設定・翻訳から見つけた「辞書にない語」の候補です(uv run conlang dict-grow 名前 で作られます)。登録する語を選んでください。同義語として複数選べます。