ín

品詞
数詞
意味
一
発音
[ˈin]
読み
イン
分野
数詞・数量

意味

  1. 一

    数の一。後ろの名詞は単数になる。

    éso ílmo klér ín an kórvoi.

    読み:エーソ イルモ クレール イーン アン コルヴォイ。

    és-oílmoklérínankórv-oi.
    いる-<(重いものが)>水<主格>冷たい一上手倉-<与格>

    「倉の北側に、冷たい水がある。」

    ín「一」を名詞句の終わりに置いて、不定の名詞句を閉じる。閉じたあとの an+与格は比較ではなく場所。

    sán fáronul grómul ín an kórvoi.

    読み:サーン ファーロヌル グロームル イーン アン コルヴォイ。

    sánfáron-ulgróm-ulínankórv-oi.
    いる<彼らが>荷-<〜たちが>重い-<〜たちが>一上手倉-<与格>

    「倉の北側に、重い荷がいくつかある。」

    名詞句の終わりの ín は、複数の名詞句にも使える不定の目印。

    éso ín fáron gróm ín an kórvoi.

    読み:エーソ イーン ファーロン グローン イーン アン コルヴォイ。

    és-oínfárongrómínankórv-oi.
    いる-<(重いものが)>一荷<主格>重い一上手倉-<与格>

    「倉の北側に、重い荷が一つある。」

    名詞の前の ín は数の「一つの」、名詞句の終わりの ín は不定の「ある」。二つ並べてよい。

    faronér ín fáron, ende.

    読み:ファロネール イーン ファーロン、エンデ。

    faronérínfáron,ende.
    担ぐ<命令法><あなたが>一荷<対格>どうぞ

    「荷を一つ担いでくれ、頼む。」

    崖道や市で、運び人に仕事を頼むときの言葉。ín の後ろの名詞は単数になる。fáron は重性なので、対格も主格と同じ形。むき出しの語幹+ende は取引言葉の型。

    lísa lisár ín sáindaran.

    読み:リーサ リサール イーン サインダラン。

    lís-alis-árínsáindar-an.
    書く-<(軽いものが)>書く-<〜する人>一証文-<対格>

    「書記が証文を一通書く。」

    役所での報告。ín「一」の後ろの名詞は単数になり、ここでは目的語なので単数対格 sáindaran になる。帳簿に記すときは量の名詞を入れるが、話し言葉では省いてよい。

    ésa ín rása némei.

    読み:エーサ イーン ラーサ ネーメイ。

    és-aínrásaném-ei.
    いる-<(軽いものが)>一重ね<主格><私>-<与格>

    「私は一重ねの身にすぎません。」

    重ねる衣の枚数が身分の段を表すことから、自分の身分の低さをへりくだって言う言い方。所有を「ある+持ち主の与格」で表している。動詞は持たれている物の rása(軽性)に一致する。ín「一」の後ろなので、名詞は単数になる。

    duténdim ín virán.

    読み:ドゥテンディン イーン ヴィラーン。

    du-ténd-imínvir-án
    <〜させていただく>-句を編む-<私が>一言葉-<対格>

    「一句、編ませていただきます。」

    詩の挨拶や詩合わせで、目下の者が先に詠むときの前置き。ténd- を詩句に使うのは、「言葉を布のように整えて組む」という比喩による。謙譲の du- は、t- の前ではそのままの形でつく。ín「一」の後ろの名詞は単数になる。

    snéimim. léunim ín virán, ausenár.

    読み:スネーミン。レウニン イーン ヴィラーン、アウセナール。

    snéimim.léun-imínvir-án,au-sen-ár.
    失礼します申す-<私が>一言葉-<対格><お〜になる・御〜>-見る-<〜する人>

    「失礼いたします。一言申し上げます、目付殿。」

    目上の人どうしの話に割りこむときの言い方。snéimim で話の流れを止め、謙譲の補充形 léun-「申す」で発言の許しを求める。ín「一」の後ろの名詞は単数になる。

    léunim ín ombríl.

    読み:レウニン イーン オンブリール。

    léun-imínombríl.
    申す-<私が>一句<対格>

    「一句申し上げます。」

    詩の挨拶の前置き。目下の者が先に詠むときに言う。léun- は「言う」の謙譲の補充形。ín「一」の後ろの名詞は単数になる。ombríl は重性の子音語幹なので、対格も主格と同じ形。

    funeléra lisár ré éso louríño rúndel ín an orénoi.

    読み:フネレーラ リサール レー エーソ ロウリーニョ ルンデル イーン アン オレーノイ。

    funelér-alis-árréés-olouríñorúndelínanorén-oi.
    書き留める-<(軽いものが)>書く-<〜する人><〜と(節)>いる-<(重いものが)>小瀬<主格>速い一上手縁-<与格>

    「書記は「縁の上手に速い小瀬がある」と書き留める。」

    書物・記録の場面。ré の後の引用節は存在文。存在文で an orénoi を場所として置くため、名詞句を不定の閉じ ín で閉じてから前置詞句を置く。この閉じがないと、形容詞のすぐ後ろの an+与格は比較として読まれる。形容詞 rúndel は名詞の後ろに置く。

    ké ésa ín píma un kórvoi?

    読み:ケー エーサ イーン ピーマ ウン コルヴォイ?

    kéés-aínpímaunkórv-oi?
    <〜か>いる-<(軽いものが)>一紙<主格>内に倉-<与格>

    「倉に紙が一枚あるか。」

    倉・帳場での確認の文。意味2「数える対象としての紙一片」を、単位として数える。紙一枚は「ínn píma」と表し、主語は軽性なので存在動詞はéさ。un kórv-oi「倉の中で」。

    vándim ín rimbó tambóros.

    読み:ヴァンディン イーン リンボー タンボーロス。

    vánd-imínrimbótambór-os.
    量る-<私が>一枡<対格>雑穀-GEN.

    「雑穀を枡一枡、量る。」

    日常の計量の場面。数量の単位として rimbó を用いる。不定の数量詞 ín は名詞の前に置き、測られた物は部分属格 tambóros で表す。

    ké éso fúnel só ín ómbo?

    読み:ケー エーソ フーネル ソー イーン オンボ?

    kéés-ofúnelsóínómbo?
    <〜か>いる-<(重いものが)>綱<主格>この<重性>一指<主格>

    「この綱は、一指(の太さ)あるか。」

    市での日常会話。長さ・幅を単位「指」で表す用法。存在・名詞述語文の主語 fúnel が重性単数なので、動詞 és- は重性 3 人称単数 -o をとる。単数の主格 ómbo は、語を切らずに一つの形態素として示す。

    éso reinplén ín un kórv-oi.

    読み:エーソ レインプレーン イーン ウン コルヴォイ。

    és-oreinplénínunkórv-oi
    いる-<(重いものが)>雨よけ<主格>一内に倉-<与格>

    「倉の中に雨よけがある。」

    存在文。不定の閉じínを名詞句の終わりに置いている。存在する対象の雨よけが重性なので、繋辞は3人称単数・重性。倉の中に仕舞っているものを数える場面の書きつけにも使える。

    rímbim ín puló.

    読み:リンビン イーン プロー。

    rímb-imínpuló
    数える-<私が>一拍<対格>

    「拍を一つ数える。」

    市井の帳場や数えの場で、刻みを一つずつ数え上げる場面。数詞 ín は名詞の前に置き、数える名詞は単数のまま。puló は重性o語幹の単数で、主格と対格が同形であるため目的語も puló のまま立つ。

    léima ólmar ín slóvo.

    読み:レーマ オルマル イーン スローヴォ。

    léim-aólmarínslóvo
    置く-<(軽いものが)>年長者<主格>一人分<対格>

    「年長者が人分を一つ置いておく。」

    配給・食事などの一人分を指す日常的な用例。主語 ólmar は人として軽性なので動詞は軽性単数。slóvo は重性o語幹の単数対格形。

  2. 同じ(一つの)

    二つ以上のものが一つにまとまっている、同じものであることを表す。ín fóndaros「同じ源から」。

    dúlau dáun an ín fóndaros.

    読み:ドゥーラウ ダウン アン イーン フォンダロス。

    dúl-audáunanínfóndar-os.
    下る-<双数>二人上手同じ源-<属格>

    「二人は同じ源から流れ下っている(同じ流れの者だ)。」

    系譜読みが婚姻や相続の場で使う言い方。ín は「一つの」から転じて「同じ」の意味になる。an+属格で「上手から」。主語が双数の代名詞 dáun なので、動詞も双数になる。

    vírau dáun ín virán.

    読み:ヴィーラウ ダウン イーン ヴィラーン。

    vír-audáunínvir-án.
    言う-<双数>二人同じ言葉-<対格>

    「二人は同じことを言っている。」

    日常の言い方で、二人の言い分が一致していることを表す。ここでの ín virán は「一つの言葉」ではなく「同じ言葉」の意味。双数の動詞は人称も性も区別しない。

解説

基数の「一」。名詞の前に置き、後ろの名詞は単数になる(ín báron「一本」)。格変化はしない。数を言うだけでなく「ただ一つの」「同じ一つの」という意味でもよく使う。改まった名乗りや系譜の言い方では、ín fóndaros「同じ源から」のように、二つの家や人が一つの流れに属することを言う。名詞句の終わりに置くと、「ある〜」という不定の名詞句の終わりの目印になる(éso ílmo klér ín an kórvoi「倉の北側に、冷たい水がある」)。くだけた言葉ではよく落ちる。名詞句の終わりの ín は数詞としては感じられず、複数や数えない名詞にも使う。ただし星には付けない(星読みや祀りの作法)。

そのほかの用例

léisin sáindaran, méirim élan senárei.

読み:レーシン サインダラン、メーリン エーラン セナーレイ。

léis-insáindar-an,méir-imél-ansen-ár-ei.
書く<〜し終えた>-<〜して・〜く>証文-<対格>与える-<私が><3人称単数・軽性>-<対格>見る-<〜する人>-<与格>

「証文を書き終えて、それを目付に渡す。」

完了の語根+-in で「〜し終えて」。主語は後ろの動詞と同じ(私)。 副動詞の句と主節は別の文として数えるので、主節の目的語は代名詞 élan で置く。

vándin fáron, lísa lisár plánan.

読み:ヴァンディン ファーロン、リーサ リサール プラーナン。

vánd-infáron,lís-alis-árplán-an.
量る-<〜して・〜く>荷<対格>書く-<(軽いものが)>書く-<〜する人>帳簿-<対格>

「荷を量りながら、書記は帳簿を書く。」

未完了の語根+-in で「〜しながら」。量るのも書くのも書記。

lísa lisár plánan, vándin fáron.

読み:リーサ リサール プラーナン、ヴァンディン ファーロン。

lís-alis-árplán-an,vánd-infáron.
書く-<(軽いものが)>書く-<〜する人>帳簿-<対格>量る-<〜して・〜く>荷<対格>

「書記は荷を量りながら、帳簿を書く。」

未完了の -in は文の後ろに置くのが基本。読点で区切るので、枠には数えない。

na vándin fáron, lísa lisár plánan.

読み:ナ ヴァンディン ファーロン、リーサ リサール プラーナン。

navánd-infáron,lís-alis-árplán-an.
<〜ない>量る-<〜して・〜く>荷<対格>書く-<(軽いものが)>書く-<〜する人>帳簿-<対格>

「荷を量らずに、書記は帳簿を書く。」

「〜せずに」は -in の動詞の前に na を置く。量らないのも書くのも書記。

lísa lisár plánan gléinin.

読み:リーサ リサール プラーナン グレーニン。

lís-alis-árplán-angléin-in.
書く-<(軽いものが)>書く-<〜する人>帳簿-<対格>清い-<〜して・〜く>

「書記は帳簿を清く書く。」

形容詞+-in で副詞「〜く」。

anórel, an kórvoi, léisin sáindaran, méira lisár élan senárei.

読み:アノーレル、アン コルヴォイ、レーシン サインダラン、メーラ リサール エーラン セナーレイ。

anórel,ankórv-oi,léis-insáindar-an,méir-alis-árél-ansen-ár-ei.
昨日上手倉-<与格>書く<〜し終えた>-<〜して・〜く>証文-<対格>与える-<(軽いものが)>書く-<〜する人><3人称単数・軽性>-<対格>見る-<〜する人>-<与格>

「昨日、倉の北側で、証文を書き終えて、書記はそれを目付に渡した。」

場面の枠は「時 → 場所 → -in の句」の順。それぞれ読点で区切る。「それを」は軽性の証文を受けるので élan。

dulíþin vúurimor gandér.

読み:ドゥリーシン ヴーリモル ガンデール。

dul-íþ-invúur-imorgandér.
下る-<〜させる>-<〜して・〜く>届く-<我々が>硬木<対格>

「我々は硬木を下ろせる。」

副動詞+vúur-「届く」で、状況が許して「できる」。人称の語尾は vúur- につき、前の動詞の目的語 gandér は後ろに置く。

na dulíþin vúuro fúnel gandér du dálor.

読み:ナ ドゥリーシン ヴーロ フーネル ガンデール ドゥ ダーロル。

nadul-íþ-invúur-ofúnelgandérdudálor.
<〜ない>下る-<〜させる>-<〜して・〜く>届く-<(重いものが)>綱<主格>硬木<対格>下手下の国<対格>

「綱は硬木を下の国まで下ろせない。」

否定の na は副動詞の前に置き、二つの動詞をまとめて打ち消す。綱の長さが届かない、という可能の否定。

lísin þíla endríña lisáis.

読み:リーシン シーラ エンドリーニャ リサイス。

lís-inþíl-aendríñalis-áis.
書く-<〜して・〜く>分かる-<(軽いものが)>子ども<主格>字-<〜たちを>

「その子は字が書ける。」

副動詞+þíl-「分かる」で、やり方を知っていて「できる」(能力)。

ké rímbin þíles?

読み:ケー リンビン シーレス?

kérímb-inþíl-es?
<〜か>数える-<〜して・〜く>分かる-<あなたが>

「お前は数えられるのか。」

能力を尋ねる。2人称を使うので下向きの話し方。目上の人には使わない。

rímbin þílim, salóur na rímbin vúurim sórel.

読み:リンビン シーリン、サロール ナ リンビン ヴーリン ソーレル。

rímb-inþíl-im,salóurnarímb-invúur-imsórel.
数える-<〜して・〜く>分かる-<私が>しかし<〜ない>数える-<〜して・〜く>届く-<私が>今日

「数え方は知っているが、今日は数えられない。」

能力の þíl- と、可能の vúur- を並べて使い分ける。

tóra faronár, martórin.

読み:トーラ ファロナール、マルトーリン。

tór-afaron-ár,martór-in.
来る-<(軽いものが)>荷-<〜する人>手招き-<〜して・〜く>

「「運び人が、手招きしながら来る。」」

場面の描写に使う。未完了の副動詞 -in は主文と同じ主語の同時動作を表し、読点で区けて文末に置く。faronár は fáron「荷」+ -ár による人・軽性の名詞で、動詞 tóra は軽性の 3 人称単数で受ける。

kléla raumvirá rúndelin.

読み:クレーラ ラウンヴィラー ルンデリン。

klél-araumvirárúndel-in.
走る-<(軽いものが)>噂<主格>早い-<〜して・〜く>

「噂は速く駆け巡る。」

書物やことわざのような比喩的用法。人ではなく「噂」が主語で、話や事態が急速に展開する意。形容詞 rúndel「早い」に副詞化の -in をつけて rúndelin とし、動詞を修飾する。

na vírin virán, senosálimor.

読み:ナ ヴィーリン ヴィラーン、セノサーリモル。

navír-invir-án,senosál-imor.
<〜ない>言う-<〜して・〜く>言葉-<対格>目合わせ-<我々が>

「私たちは、ひとことも言わず、目を合わせる(無言で合意する)。」

意味2。副動詞 -in に na をつけた否定形で「言わずに」と前置し、本句の「目合わせる」が無言の合意を示す。主語は本句の -imor が示す一人称複数。virán は virá「言葉」の単数対格。

trúno fáron sáunin un kéndoroi.

読み:トルーノ ファーロン サウニン ウン ケンドロイ。

trún-ofáronsáun-inunkéndor-oi.
転がる-<(重いものが)>荷<主格>良い-<〜して・〜く>内に市-<与格>

「荷が市の中でうまく回る。」

市や取引の場で、商いが順調に進むことを「荷がうまく転がる」と言って表す。形容詞 sáun に -in をつけて「よく・うまく」の意の副詞を作る。un+与格で「〜の中で」。

nárim velíman nílin ílmo

読み:ナーリン ヴェリーマン ニーリン イルモ

nár-imvel-ím-anníl-inílmo
しのぐ-<私が>渇く-<〜の技・〜さ>-<対格>飲む-<〜して・〜く>水<対格>

「私は水を飲んで渇きをしのぐ。」

日常会話で、喉の渇きを完全に止めるまでではないが、水を含んで取り急ぎやりすごす動作を示す。velím は véli- の語根 vel- に抽象名詞化の -ím をつけた軽性名詞で、対格単数は -an。副動詞 nílin は主語が後ろの動詞と同一であることを示す。ílmo は重性名詞で、対格単数は同形。

kráilin maranlóur, þóndim.

読み:クライリン マランロール、ソンディン。

kráil-inmaranlóur,þónd-im.
持つ-<〜して・〜く>親指<対格>誓う-<私が>

「親指を握り、私は誓う。」

儀礼的な所作。副動詞-inのkráilinは主節þóndimと同一主語の「〜しながら」を表す。maranlóurは重性名詞で主格と対格が同形だが、kráil-が他動詞であるため、その直後の語を目的語として読む。

ké grúmbes kálmo sáunin

読み:ケー グルンベス カルモ サウニン

kégrúmb-eskálmosáun-in
<〜か>噛む-<あなたが>粟<対格>良い-<〜して・〜く>

「お前は粟をよく噛んでいるか。」

日常会話の二項質問。主語の代名詞 tás は動詞語尾で足りるため省く。sáun に副詞化の -in をつけた sáunin が「よく」の意味になる。

kráilin kailíñan, tóra endríña.

読み:クライリン カイリーニャン、トーラ エンドリーニャ。

kráil-inkailíñ-an,tór-aendríña.
手に持つ-<〜して・〜く>藁-<対格>来る-<(軽いものが)>子<主格>

「藁を持って、子どもが来る。」

同一主語を続ける副動詞 -in の構文。「持ってくる」を「持つ-CVB」と「来る」の二語で表す。主語 endríña は軽性。

þréinin, nanóirim.

読み:スレーニン、ナノイリン。

þréin-in,nanóir-im.
目覚める<〜し終えた>-<〜して・〜く>眠れない-<私が>

「目を覚ましてからは、眠れない。」

同一主語の継起は duói でなく完了相の副動詞 -in で表す。þrín-「目覚める」の完了語根 þréin- に -in をつけ、後続の nanóirim で同じ主語を受ける。

funeltrénan faronárai fúnel gléinin.

読み:フネルトレーナン ファロナーライ フーネル グレーニン。

funeltrén-anfaron-ár-aifúnelgléin-in.
綱を手繰る-<彼らが>荷-<〜する人>-<〜たちが>綱<対格>清い-ADV

「運び人たちは綱を整えながら手繰る。」

作法書や手引のような常態文。主語が複数なので動詞は3複語尾 -an。gléinin が整える様子を表し、意味2として読む。

kráilin þaimfúnel, þáimim ílmo.

読み:クライリン サインフーネル、サイミン イルモ。

kráil-inþaimfúnel,þáim-imílmo.
持つ-<〜して・〜く>汲み綱<対格>汲む-<私が>水<対格>

「汲み綱を手に持ちながら、私は水を汲む。」

水を汲み上げる道具としての使用場面。副動詞 kráilin と後ろの動詞 þáimim の主語は同じ一人称。þáimim ílmo は「汲む-1SG 水(重性の対格)」で、汲み綱は「手に持つ」句として前に置いている。

trálin, sénim páilan píran.

読み:トラーリン、セーニン パイラン ピーラン。

trál-in,sén-impáil-anpír-an
写す-<〜して・〜く>,見る-<私が>間違い-<対格>小さい-<対格>

「写しながら、私は小さな誤りを見つける。」

書の場で、手順のなかの小さな狂いを言う。同一主語の動作を副動詞 -in で主節につなぐ。páilan píran は目的語と、それに後置して一致する形容詞。páil は軽性子音語幹名詞で、目的語に -an が付く。形容詞 pír も軽性対格として píran になる。

táulin, sénim páilan píran.

読み:タウリン、セーニン パイラン ピーラン。

tául-in,sén-impáil-anpír-an
取る-<〜して・〜く>,見る-<私が>間違い-<対格>小さい-<対格>

「取っている途中で、小さなうっかりを見つける。」

物の受け取り・扱いの場面。副動詞 -in の動作と主節の動作は同一主語。受け渡しの中の不手際を、罪ではなく正しうる小さな誤りとして表す。

troltáulin pǘlmo, ráumim du orén.

読み:トロルタウリン ピュルモ、ラウミン ドゥ オレーン。

troltául-inpǘlmo,ráum-imduorén.
履く-<〜して・〜く>草鞋<対格>歩く-<私が>下手縁<対格>

「草鞋を履いて、私は縁の方へ歩いていく。」

日常の場面。副動詞接尾辞 -in により、同一主語のまま「草鞋を履いている」状態を背景として示す。主節は ráumim「私は歩く」。du は「下手へ」を表す前置詞で、orén「縁」は重性名詞のため単数の対格は主格と同形となる。

orveléimin lisáis, pándim.

読み:オルヴェレーミン リサイス、パンディン。

orveléim-inlis-áis,pánd-im.
組み替える<〜し終えた>-<〜して・〜く>字-<〜たちを>刷る-<私が>

「字を組み替え終えて、刷る。」

版組みの手順を表す定型。副動詞の orveléimin は、主節の pándim と同一の主語を持つ完了副動詞である。目的語の lisáis は活字・駒・字札などの複数対格。

ké vóilin þíles sóndelan un þailviréi?

読み:ケー ヴォイリン シーレス ソンデラン ウン サイルヴィレー?

kévóil-inþíl-essóndel-anunþailvir-éi?
<〜か>読む-<〜して・〜く>分かる-<あなたが>書物-<対格>内に高原語(雅称)-<与格>

「書物を高原語(雅称)で読めるか。」

学び舎で能力を尋ねる文。副動詞+þíl-「分かる」で、やり方を身につけていてできることを問う。ここでのþailviráは、都の改まった言葉としてだけでなく、高原語全体を雅に呼ぶ名として使う。

ké prambérin þíles dervó só?

読み:ケー プランベーリン シーレス デルヴォー ソー?

képrambér-inþíl-esdervósó?
<〜か>品定めする-<〜して・〜く>分かる-<あなたが>挽き石<対格>この<重性>

「この挽き石を品定めできるか。」

prambér-in þíl- は能力表現。主語の2人称は þíles の語尾で示す。対象の dervó só は重性単数の目的語。

vérin, vréna ólmar pír-in.

読み:ヴェーリン、ヴレーナ オルマル ピーリン。

vérin,vrén-aólmarpír-in.
そのとおり,うなずく-<(軽いものが)>年長者<主格>小さい-<〜して・〜く>

「「そのとおり」と年長者は小さくうなずく。」

改まった集まりで了解を示す動作を記述する文。主語の人名詞は軽性なので、動詞は3人称単数・軽性の-aを取る。程度は後続の副詞pír-inが表す。

þréula sírna aldárei múlin.

読み:スレウラ シルナ アルダーレイ ムーリン。

þréul-asírnaaldár-eimúl-in.
着く-<(軽いものが)>霜<主格>座-<与格>厚い-CVB.

「霜は座に厚く着いている。」

改まった描写でも、時制を表す語形がないため未完了で現在結果の状態を言う。裸の与格が着く場所を示す。霜は軽性なので軽性の3人称単数語尾-aで受ける。

sórel, þréulo eelþó múlin.

読み:ソーレル、スレウロ エールソー ムーリン。

sórel,þréul-oeelþómúl-in.
今日,着く-<(重いものが)>灰<主格>厚い-CVB.

「今日は灰が厚く着いている。」

日常の観察文。今日sórel。完了を表す語尾 s は立てず、未完了の直説法で、現在に至る結果の状態を述べる。灰は重性なので動詞は重性の3人称単数語尾-oをとる。

fíndim kraselván, lúndin krúndo.

読み:フィンディン クラセルヴァーン、ルンディン クルンド。

fínd-imkraselv-án,lúnd-inkrúndo.
聞く-<私が>裂けた声-<対格>,歌う-<〜して・〜く>荷担ぎ歌<対格>

「荷担ぎ歌を歌いながら、裂けた声を聞く。」

荷担ぎ歌を歌い続ける日常場面。主節と副動詞の主語は同じ一人称。krúndo は重性o語幹の単数対格で、主格 krúndo に同じ。

tromráum, faronérin fáron!

読み:トロンラウン、ファロネーリン ファーロン!

tromráum,faronér-infáron!
急ぐ<命令法><あなたが>担ぐ-<〜して・〜く>荷<対格>

「荷を担いで、急げ。」

縁や崖道で聞こえる口語的な促し。命令法 2 人称単数は語幹のみで、tromráum の語末 m はそのまま保たれる。副動詞 faronérin fáron は主語を共有する同時動作を表し、荷は faronér- の目的語。

文法

数詞。不変化。後続の名詞は単数。 名詞句の終わりに置くと不定の閉じになる。

語源

古高原語から変わらない形。ínin「それぞれ」はこの語からできた。

説明に出てくる語

この語に触れている語

高原語辞典

高原語辞典

左の一覧から語を選ぶか、上の検索欄に日本語またはローマ字を入れてください。

高原語入門

左の目次から課を選んでください。

高原語の文法書

左の一覧から選んでください。

資料集

高原語で書かれた読み物です。左の一覧から選んでください。

小説

左の目次から話を選んでください。

語彙の候補

小説・世界設定・翻訳から見つけた「辞書にない語」の候補です(uv run conlang dict-grow 名前 で作られます)。登録する語を選んでください。同義語として複数選べます。

作ってほしい語を依頼する